新タイトル戦として注目されている叡王戦。スケジュール・優勝賞金・永世称号はどうなっているのでしょうか? 今日は、叡王戦第1局・第2局・第3局までの結果速報をリアルタイムでお伝えするとともに、優勝賞金や序列とスケジュール・永世称号の情報もまとめました。
目次
優勝賞金と序列
金額は非公表ですが、各種報道を見ると2,000万円と言われています。
序列は、竜王・名人に次いで3位です。
8番目のタイトル戦であるにもかかわらず、破格の扱いです。
スケジュール
予選や本戦は?
段位別の予選→本戦という流れで、挑戦者を決めていきます。
予選は6月から10月まで行われ、本戦は11月から翌年の1月までです。
七番勝負は?
春といえば名人戦の季節ですが、叡王戦も4月から6月にかけて行われます。
2018年の七番勝負は、2018年5月15日の時点で第3局まで消化されています。
七番勝負のタイトル戦は、2日がかりで対局するのが通常ですが、叡王戦の対局は1日で終了します。
加えて、第5局と第6局が同じ日に予定されているのは、他のタイトル戦では例がありません。
なお、七番勝負の日程は、以下の通りです。
第1局 | 第2局 | 第3局 | 第4局 | 第5局 | 第6局 | 第7局 |
4月14日 | 4月28日 | 5月12日 | 5月26日 | 6月3日 | 6月3日 | 6月10日 |
永世称号
叡王戦を除く他の7つのタイトルは、全て永世称号制度が制定されています。
一方叡王戦は、永世称号の制度がありません。
2017年度からタイトル戦へ昇格したので、まだ「5連覇」「通算5期」という実績が登場するまで時間があるからでしょう。
叡王戦の結果速報リアルタイム中継(第1局・第2局・第3局)
本戦トーナメント
七番勝負へ進出したのは?
段位別予選を通過し、七番勝負へ進出したのは、高見泰地六段と金井恒太六段です。
両者ともタイトル戦は初挑戦なので無名ですが、勝ってきた相手を見るとトッププロばかりです。
これだけトッププロが相次いで負けるのは、珍しいくらいです。
勝ち上がったのはフロックではないことがわかります。
出典:日本将棋連盟
高見泰地六段
1回戦から順に、豊島将之八段→渡辺明棋王→丸山忠久九段です。
いずれも、タイトルホルダー・名人経験者・タイトル挑戦経験あり&A級将棋プロです。
豊島将之八段は、タイトル挑戦5回を誇るA級所属のトッププロです。
渡辺明棋王は、竜王9連覇・棋王6連覇などタイトル戦での活躍がめざましい、トッププロです。
丸山忠久九段は、タイトル獲得3期(名人2期、棋王1期)やA級在籍14期を誇るトッププロです。
これだけトッププロに相次いで勝ちなさいと言われても、できるものではありません。
金井恒太六段
金井六段が勝ってきた相手も、錚々たるメンバーです。
1回戦から順に、佐藤天彦名人・叡王→佐藤康光九段→行方尚史八段です。
佐藤天彦名人・叡王は、非タイトル戦だった前年の叡王戦を制しただけでなく、名人戦2連覇中の、超一流プロです。
佐藤康光九段は、名人2期を始め棋聖6連覇(永世棋聖を獲得)が光る、同じく超一流プロです。
行方尚史八段は、タイトル獲得経験はないものの、タイトル戦挑戦2回(名人戦、王位戦)やA級所属6期を誇るトッププロです。
第1局
どちらが勝っても初タイトルとなる七番勝負は、金井恒太六段の先手で始まりました。
戦型は、横歩取りと呼ばれる戦型の3三角という構えになりました。
序盤に後手の高見六段が趣向を凝らして、金井陣を左右から抑え込む形にしました。
その後、お互いの右側の桂馬を跳ねながら陣形整備を整えていきましたが、高見六段が跳ねた桂馬をさらに跳ねて、金井陣に攻撃を始めます。
一方の金井恒太六段も右の桂馬をさらに跳ねた上で、中央に角行を据えて、高見陣を中央から睨みます。
高見六段は盤面左を、金井六段は盤面右を攻撃するという展開になりましたが、高見六段が、うまく左右挟撃の形を作りながら、王様を戦線から遠ざけていきました。
最後は、中央の列にあった金井六段の王様の真上に攻勢を仕掛け、高見六段が勝利を収めました。
第2局
第2局は、高見泰地六段が先手です。
戦型は居飛車で、序盤から金井恒太六段が右の銀将で、高見泰地六段の陣地の左側へ攻勢を仕掛けます。
最終的には矢倉戦法のような形になり、金井六段は攻撃駒の銀将が相手の防御の銀将と交換を果たす戦果をあげました。
その後、中央でお互いの角行が睨み合う形となり、お互いに敵陣深くへ持ち駒を投入します。
じわじわと挟撃形を作っていく金井恒太六段に対し、高見六段は右端の列から細かくてを作っていきます。
最終的に成金を金井六段の王将近辺に2枚作ることに成功した高見六段が、金井六段の攻撃網をほつれさせ、右端の列から駄目押しの攻撃を加えて、2連勝となりました。
第3局-その1
金井六段の先手で始まった対局は、第1局に続いて横歩取り3三角戦法になりました。
序盤早々から金井六段は、右端の列に攻撃を仕掛けます。
攻撃にリズムをつけさせてはまずいと見た高見六段が、3三に歩兵を据えて局面を落ち着かせにかかりますが、金井六段は右端の列にさらに攻勢を仕掛けます。
その後金井六段は、捕獲した香車で挟撃形を作り、優勢を確立します。
劣勢を意識する高見六段は、香車と桂馬のコンビで金井六段の王将を追い、金井六段に攻撃を迫ります。
持ち時間の切迫があり決めきれない金井六段に対し、高見六段は「千日手」と呼ばれる引き分けの筋への逃げ込みが成功し、第3局は引き分けとなりました。
高見六段にとっては九死に一生、金井六段にとっては白星を取り損ねた格好となりました。
第3局-その2
協議の結果、その日に第3局を挿し直すことが決まり、先手が高見六段にかわって、第3局の挿し直しが始まりました。
戦型は、第2局とよく似た形になり、金井六段は早速攻勢を仕掛けます。
中盤に入ると、お互いの角行と銀将が盤面の中央で睨み合う形となり、高見六段が3四の地点に拠点の歩兵を据えることに成功します。
拠点を作られてしまった金井六段は、左端の列に攻勢を仕掛けて劣勢の挽回をはかります。
高見六段は、右の桂馬を盤面中央付近に跳ねた上で、角行と銀将の交換に出ます。
桂馬が金井陣への侵入に成功し、逃げ道の少ない形の金井六段は劣勢になります。
最後は、2枚の角行を使って、盤面左寄りから相手の王将に圧力をかけた局面で、金井六段は負けを認めました。
第4局は?(5月26日更新済)
5月26日に行われます。
高見六段が一気の4連勝で初タイトルを決めるのか、金井六段がカド番を凌ぐのか、注目されます。
結果は、以下の関連記事で速報しています。
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