年間記録の主要4部門の独占を果たした藤井聡太六段が、最も将棋タイトルに近いのは王座戦です。今日はその予選で糸谷哲郎八段と対戦します。そこで今日は対局の速報と、将棋タイトルはいつになるか予想しました。
七段昇段をかけた、18年5月18日の対局速報に関する情報も書いています。「最新情報(18年5月18日)」という見出しに書いてあるリンクをご確認下さい。
目次
藤井聡太六段
2018年2月に開催された朝日杯将棋オープン戦の決勝で、A級将棋プロ(=トッププロ)の一人で、将棋タイトル王位の獲得経験もある広瀬章人八段に勝って、優勝&六段に昇段しました。
勝ち上がっていく中で佐藤天彦名人や羽生善治竜王など錚々たるメンバーに勝利していったさまは、まさに圧巻でした。
将棋プロの格&名人戦挑戦者を決める順位戦でも、全勝でC級1組への昇級を決めるなど、快進撃は止まることがありません。
全部で8つある将棋タイトルにまだ手は届いていませんが、見方によっては時間の問題とも言えるでしょう。
今日の対局は王座戦というタイトル戦の予選ですが、藤井聡太六段が最短でタイトル獲得を秘めているタイトル戦です。
糸谷哲郎八段
2018年度からA級
2018年3月まで行われたB級1組の順位戦でトップの成績を収め、2018年4月からはA級の所属になります。
キャリアの通算勝率は.667で、今年度も.575と好調を維持しています。
A級は、成績トップになると名人戦の挑戦者になれる、名実ともに将棋トッププロが所属するリーグと言えます。
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竜王獲得経験あり
2014年に開催された竜王戦七番勝負で、森内俊之竜王に4勝1敗で勝利し、初挑戦で初タイトルを獲得するという快挙を成し遂げています。
A級所属&将棋タイトル獲得経験ありの観点からも、将棋トッププロの要件を全て満たしています。
将棋タイトルはいつ?
王座戦
この対局は詳しくいうと「二次予選」の決勝なので、この対局に勝利すると挑戦者決定トーナメントに進むことができます。
挑戦者決定トーナメントは、4回勝つと挑戦者になることができます。
なお、現在の王座は、昨年まで19連覇を含む王座獲得24期&26年連続王座戦出場を続けていた羽生善治王座を倒して初タイトルを獲得した、中村太地王座です。
王座戦は五番勝負で、9月から始まり10月に終わります。
仮に藤井聡太六段が挑戦者になって、中村太地王座に勝てば、将棋タイトルは、最短で18年10月に実現します。
なお、18年5月7日に行われた挑戦者決定トーナメント1回戦に勝利し、2回戦への進出を決めています。
竜王戦
王座戦の次にタイトル挑戦が近いのは、竜王戦です。
竜王戦は、1組から6組まであるランキング戦を勝ち抜くと、決勝トーナメントへ進みます。
決勝トーナメントの決勝は三番勝負になっていて、そこでも勝てば竜王戦の挑戦者になれます。
決勝トーナメントの三番勝負は8月〜9月に行われ、竜王との七番勝負は10月から12月にかけて行われます。
現在の竜王は、昨年の竜王戦で永世七冠を達成した、羽生善治竜王です。
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竜王戦の場合は挑戦者になったら七段へ昇段できるので、王座戦に負けても竜王戦で挑戦者になれれば、最短で18年9月に七段へ昇段できます。
昨年のランキング戦6組で優勝した藤井聡太六段は、2018年度は5組で戦っています。
決勝トーナメントへ進出するには、5回勝ち上がらないといけませんが、藤井聡太六段はすでに2度勝って3回戦への進出を決めています。
最新速報(18年5月18日)
七段昇段をかけた対局の速報を、以下の関連記事で解説しています。
対局速報
速報(14時50分時点)
目上の糸谷哲郎八段が関西所属なので、対局は10時から関西将棋会館で始まりました。
先手の藤井聡太六段で始まった対局は、後手の糸谷八段の「角交換型振り飛車」になりました。
お互いに陣形整備を進める中で、糸谷八段が早速右から二列目の筋で戦端を開きます。
どちらが2列目の筋を制覇するのかのつばぜり合いが続き、戦線は3列目の筋にも拡大していきます。
右から2列目・3列目の筋の制空権を握った糸谷八段に対し、藤井聡太六段は角行を左から4列目の筋に据えて、糸谷八段の動きをけん制する構えを見せます。
速報(17時30分時点)
角行の睨みを防御する糸谷八段に対し、藤井聡太六段は右から2列目の筋で反攻を開始します。
最終的に角行が糸谷陣へ侵入し、糸谷八段の飛車との交換が実現します。
その後、桂馬で藤井聡太六段の王様に縛りをかけながら、藤井陣へ歩兵を派遣する糸谷八段に対し、藤井聡太六段はと金を糸谷陣へ侵入させます。
銀将への攻撃を繰り出す糸谷八段に対し、藤井聡太六段は相手をせずにと金を敵陣深くへ侵入させ、駒得を図ります。
速報(19時10分時点)
藤井聡太六段は、歩兵で糸谷陣を防御している2枚の金将を、歩兵を派遣して崩しにかかります。
対する糸谷八段は、歩兵を相手することなく、中央に角行を据えて、遠く藤井陣を睨みながら、飛車・歩兵確保も狙います。
速報(20時0分時点、藤井聡太六段勝利)
勝機ありと見た藤井聡太六段は、糸谷八段の角行の睨みに目もくれず、糸谷陣の守備駒金将を捕獲に走ります。
飛車を逃げなかったので、糸谷八段は、角行と飛車を刺し違えます。
ところが藤井聡太六段は、その角行を取ることなく、さらにもう一つの守備駒の金将も剥がしました。
挟撃体制を作りに行く糸谷八段に対し、藤井聡太六段は一旦受けるという老獪な手を放ちます。
馬(角行がパワーアップした駒)を自陣に引き付け抵抗する糸谷八段に対し、飛車で王様を追撃します。
持ち駒の角行も投入して防衛を図る糸谷八段に対し、最後は糸谷八段の王様を詰みに打ち取った藤井聡太六段が、挑戦者決定トーナメントへの進出&16連勝を果たしました。
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