2勝2敗で迎えた将棋名人戦第5局が、午前9時から始まりました。決着は18年5月30日夜の見込みですが、今回もリアルタイム速報で、形勢はどちらが優勢か、結果はどうなったかをまとめました。※第6局の速報→【第6局速報】
目次
将棋名人戦
6人のプレーオフ
名人戦の挑戦者を決めるA級順位戦は、リーグ成績トップが複数名出たらプレーオフを行います。
2017年度のA級順位戦は、なんと6名が同率で並び、史上初の6名によるプレーオフを行いました。
結果は、ご存知の通り第2シードで出場した羽生善治竜王が挑戦者になりました。
対戦カードは?
名人戦3連覇を目指す佐藤天彦名人と、タイトル獲得通算100期&名人10期を目指す羽生善治竜王の組み合わせになりました。
現在の将棋界のトップ同士の対局とあって、非常に注目されています。
第4局までの展開は?
将棋界では、先手番がやや有利と言われていますが、その常識を地で行くかのように、全て先手が勝利し、2勝2敗になっています。
この流れを、いつどちらが断ち切るのかが注目されています。
断ち切れた方が、「名人」に大きく近づくことは間違いありません。
第5局のリアルタイム速報!形勢はどちらが優勢か?
※第6局の速報はこちら→【第6局速報&佐藤名人3連覇達成!】
速報(1日目 AM10時時点)
挑戦者の羽生善治竜王の先手で、午前9時から対局が始まりました。
注目の戦型は、再び「横歩取り」が選択されました。
ちなみに第4局までの戦型と結果は、以下のようになっています。
対局 | 先手 | 戦型 | 結果 |
第1局 | 羽生善治竜王 | 横歩取り3三角型 | 羽生竜王勝利 |
第2局 | 佐藤天彦名人 | 角換わり | 佐藤名人勝利 |
第3局 | 羽生善治竜王 | 角換わり | 羽生竜王勝利 |
第4局 | 佐藤天彦名人 | 横歩取り3三角型 | 佐藤名人勝利 |
第5局 | 羽生善治竜王 | 横歩取り3三角型 | ? |
速報(1日目17時30分時点)
3局目になった横歩取り3三角戦法ですが、後手の佐藤名人は、王将を右翼へ移動させていきます。
その後、お互いの角行を交換した後、3三の地点に桂馬を跳ねて、右翼に据えられていた羽生竜王の飛車を、歩兵で追い払います。
羽生竜王は、自陣へ飛車を引いたのに対し、佐藤名人は、羽生竜王の飛車の筋へ飛車を展開し、羽生竜王の飛車へさらに圧力をかけていきます。
抑え込まれるとまずい羽生竜王は、右側の桂馬を跳ねて、陣形整備を行います。
速報(1日目終了)
羽生竜王の桂馬を跳ねる手に対し、佐藤名人は強く歩兵を突き出し、じわじわ羽生竜王の飛車を追い詰めにかかります。
この局面で羽生竜王は次の手を指さずに、封じ手をしました。
佐藤名人に示すことなく、次の一手を封筒の中に入れた紙に書き記す儀式です。
2日目は、18年5月30日の朝9時から始まります。
速報(2日目午前9時10分時点)
佐藤名人の封じ手は、角行を使って羽生竜王の飛車に攻撃を仕掛け、盤面右翼で圧力をかけられている状況を打開しようという手でした。
羽生竜王は、飛車を自陣へ下げて、角行の攻撃を緩和します。
速報(2日目12時時点)
佐藤名人は、中央付近に陣取る羽生竜王の角行へ圧力を加えに行きます。
そのままだとまずいとみた羽生竜王は、圧力がかかる前に佐藤名人の銀将へ歩兵をぶつけます。
速報(2日目17時50分時点)
圧力がやや遠ざかった羽生竜王は、飛車の進路を塞いでいた歩兵を捕獲します。
さらに歩兵で妨害を図る佐藤名人に対し、羽生竜王は、佐藤名人の桂馬へ攻撃のターゲットを絞ります。
そのまま攻められるとまずい佐藤名人は、角行を放って羽生竜王の飛車を端へ追い払います。
その後佐藤名人は、羽生竜王の桂馬へ攻撃を仕掛け、駒得を図ります。
角行との交換を迫られた佐藤名人は、角行を逃げることなく、羽生陣へ踏み込みます。
その後、お互いに陣地へ侵入してきた駒を捕獲した後、佐藤名人は歩兵のさらなる侵入を目指し、中央で銀将の交換も果たします。
そしてついに、羽生陣へ歩兵の侵入(と金)に成功します。
その代償に飛車が捕獲されましたが、手にした駒で羽生竜王の王将の捕獲を目指します。
観戦しているプロたちは、駒を豊富に手に入れた佐藤名人が優勢だと評価し始めます。
じっくりするわけにはいかない羽生竜王は、盤面右翼へ攻撃を仕掛けます。
速報(2日目18時42分時点)
じっくり受ければ優勢を確立できると見たのか、佐藤名人は羽生竜王の飛車の打ち込みに対し、桂馬で受けます。
この桂馬は、羽生竜王の角行の捕獲も狙っている手です。
角行を逃げると勝機なしとみた羽生竜王は、佐藤陣深くへ切り込んで行きます。
佐藤名人は冷静に角行を捕獲します。
その後の局面で控え室にいる終盤が鬼強のプロ棋士が、佐藤名人勝利の手順があると指摘しています。
その指摘通りの手を佐藤名人が指して、羽生竜王が投了となりました。
結果はどうなった?
これで佐藤名人の3勝2敗となり、防衛&3連覇に王手をかけました。
第5局で初めて、後手番が勝利することとなりましたが、第6局はどうなるのでしょうか?
第6局は、6月19日・20日に行われます。
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