18年5月26日に行われていた叡王戦第4局で、高見泰地六段が勝ち初タイトルを獲得しました。どんな対局だったのか結果速報とともにお送りします。
目次
叡王戦第4局の結果速報
先手は高見泰地六段で矢倉に
高見泰地六段の3連勝で迎えた第4局は、14時から高見泰地六段の先手で始まりました。
注目された戦型は、矢倉になりました。
これまでの戦型は、以下の通りです。
局数 | 戦型 |
第1局 | 横歩取り3三角戦法 |
第2局 | その他の戦型 |
第3局 | その他の戦型 |
第3局指し直し | 横歩取り3三角戦法 |
第4局 | 矢倉 |
戦前の予想通り、全てが居飛車の戦法になりました。
その後陣形整備がどんどん進んで、先手の高見泰地六段は「4六歩」の形をとります。
実戦例がないわけではありませんが、4六角の方がよく見かける形です。
陣形深くに角行を引いた家内六段に対し、高見六段は飛車を最下段に引く形に構えます。
戦端が開かれる
さらに陣形整備が進むかと思いきや、高見六段が右寄りの筋から戦端を開きます。
高見六段は、一旦系まで相手の陣地に楔を打ち込める形にした上で、陣形を整えます。
陣地右寄りに角行を据えた高見六段に対し、金井六段は陣地右寄りに角行と桂馬を据えて、攻撃形を整えます。
高見六段の陣形がよくなっていくのを防ぐために、金井六段は高見陣の左寄りへ歩兵を突き出し、桂馬を跳ねる形をとります。
そして、高見陣の左端から戦端を開きます。
それに対し高見六段は、端の折衝で手にした香車を、飛車の前に据えて、金井六段の王将を間接的に睨みます。
その後、跳んできていた桂馬と銀将を交換し、防御が弱体化している左寄りのエリアを補強します。
戦いが本格化
そして、盤面中央と右寄りのエリアで衝突が本格化します。
やや劣勢気味な高見六段は、自陣に角行を引いた後に、金井六段の王将の真上で歩兵を派遣してドンパチを始めます。
放置すると流れ弾が飛んでくると見た金井六段は、盤面右翼を受け止めながら、戦線から王将を退避させます。
逃げられては困る高見六段は、王将の逃走先に歩兵を垂らして、逃げ道を塞ぎにかかります。
やや優勢気味な金井六段は、高見六段の勝負手を食らわないようにと、持ち駒の銀将を投入して、防御力を高めます。
持ち時間で優位に立っているのは高見六段ですが、金井六段もそろそろと言わんばかりに、高見六段の王将の逃げ道をじわじわと狭めていきます。
時間攻め
受け続けると形勢に差がつくと見たのか、高見六段は戦線へ桂馬を投入し、金井六段の王将へ圧力を加えていきます。
その後、自陣に攻撃を仕掛けてきた桂馬と守備駒の金将を交換し、その流れで自陣に眠っていた角行が金井陣へ睨みを利かせることに成功します。
時間で優位に立っている高見六段は、どんどん攻撃を仕掛けて金井六段のミスを誘う戦術に出ます。
金井六段は、自陣に守備駒を投入した後、手にした香車を使って、相手の角行と王将を串刺しにする手を放ちます。
その手を相手せずに、さらに猛攻を仕掛けた高見六段が、最後は金井六段の王将を討ち取りました。
高見泰地が勝ち初タイトル獲得!
高見六段が初タイトル獲得!
叡王戦七番勝負は、高見泰地六段が4連勝し、初タイトル「叡王」を獲得しました。
これに合わせて、七段への昇段も決めました。
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