【三段リーグ】プロ棋士四段の仕組みや年齢制限は?藤井聡太の成績と里見香奈の挑戦は?

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藤井聡太五段や、里見香奈三段の挑戦で注目を集めている「三段リーグ」。プロ棋士四段になるための最後にして最高の難関は、一方で厳しい年齢制限もあり、無念の涙をのんだ人たちもたくさんいます。そんな「三段リーグ」の仕組みにフォーカスを当て、どうしたらプロ棋士四段になれるのか、どれくらい厳しいのかをまとめました。

三段リーグの仕組み

四段イコールプロ棋士

半年に一度開催され、三段同士で18局を半年間で消化して、上位2名に入ると、プロ棋士四段になります。

「なんだ、二人もなれるのか!」と簡単に考えてはいけません。

三段リーグには、なんと現在36名もの三段が在籍しているのです。

プロ棋士の棋戦に例外的に参加を認められていることもあり、プロの棋戦で三段が勝ち進むこともあります。

つまり、プロ棋士と実力が遜色ない人たち36名のうち、2名に入らなければならないのです。

これは、ひょっとするとプロである程度勝ち進むことよりも、はるかに難易度が高いことかもしれません。

その証拠に、三段リーグを突破した若い四段が、デビュー後に破竹の勢いで勝ち進むことも少なくありません。

フリークラスの道もある

三段リーグで上位2名に入れなくても、3位を2回とると「プロ棋士四段」になるルールが近年整備されました。

但し四段になっても、名人への道「順位戦」への参加は認められず、「フリークラス」というランクに入ります。

しかも一定の成績を10年以内に収めて、順位戦へ参加できないと、引退という制限までかかっています。

この「次点」制度を利用して四段になった人は5名いますが、いずれも一定の成績を収めて、無事にフリークラスを卒業されています。

年齢制限

20代というのは、人生で最も若さを謳歌でき、歳を重ねることに関心が薄い年代ですが、三段リーグ在籍者には以下の年齢制限があり、歳を重ねることは必ずしも嬉しいことではありません。

満26歳の誕生日を含むリーグ終了までに四段になれなかった場合は退会となる。

出典:日本将棋連盟

例外規定はあるのですが、満26歳の誕生日が厳しい現実として迫ってくる恐怖は、想像を絶するものがあるでしょう。

年齢制限ギリギリでプロ棋士になった方が、脱力感からかその場に塞ぎ込んでしまったという伝説がありますが、心中を察して余りあります。

下記で紹介する藤井聡太五段のように、疾風の如く駆け抜けていく人もいれば、同年代の人たち・後輩に抜かされていった中でも耐えに耐えて、最終的に夢を叶えた人もいる、四段になれず無念の退会を余儀なくされた人もいる、そんな悲喜こもごもの人間ドラマが詰まっている、それが三段リーグでもあります。

藤井聡太の三段リーグ

史上最年少でプロ棋士四段になり、瞬く間に五段へと昇段した藤井聡太五段。

彼にも、1年近くの三段時代がありました。

三段リーグに所属したのは1期(半年)だけですが、リーグ開催のタイミングが4月と10月なので、三段に昇段するタイミングが良くないと、藤井聡太五段のように半年近く待たないといけなくなることがあります。

成績は、13勝5敗。

プロデビュー後の29連勝や、史上最年少での五段昇段など、数々の離れ業をやってのけている藤井聡太五段からすると、少しばかり平凡な成績に見えますが、それだけ三段リーグには強者が揃っていることの、何よりの証明でもあります。

里見香奈の挑戦

将棋の世界には女流棋士という制度がありますが、これは「将棋のプロ棋士」とは別個の棋士制度です。

女性・男性を区別しない「プロ棋士四段」になった女性はまだいないのですが、その一歩手前の三段まで上り詰めている女性は2名います。

一人は里見香奈さんで、もう一人は西山朋佳さんです。

西山三段は女流棋士ではありませんので、大きくメディアに取り上げられることはあまりありませんが、里見三段は女性初の三段や「女流棋士と三段の二足のわらじ」を履いていることもあって、非常に注目されています。

詳しくは関連記事で紹介していますが、今期の三段リーグが年齢制限前最後ということもあり、報道でも取り上げられています。

2月10日に、三段リーグの2局が予定されています。

当2局を含め残り6局で、トップから星の差2つですが、ご本人はもちろんファンもドキドキする残り2ヶ月です。

ちなみに最終局は3月4日に開催されます。

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【里見香奈】奨励会三段リーグの結果と成績は?プロ棋士なるか予想する!

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