1勝1敗で迎えた将棋名人戦第3局が、始まりました。リードするのは、佐藤天彦名人か挑戦者の羽生善治竜王か? 形勢などの実況と結果を速報します。
目次
将棋名人戦
6人プレーオフ
名人戦は、将棋プロの格を決める5つのリーグ戦のうち、最上位のA級リーグを勝ち抜けば挑戦者になることができます。
A級には10人のトッププロが所属して、1年で9局戦うのですが、リーグ成績が並べばプレーオフを行います。
18年3月に終了したA級順位戦では、史上初めて6人が同率で並び、プレーオフが5局も行われて、話題になりました。
リーグ順位が二番目だった羽生善治竜王は、プレーオフを勝ち上がってきた豊島将之八段と、リーグ順位トップの稲葉陽八段に勝って、名人戦の挑戦者になりました。
七番勝負の経過
第1局
名人戦3連覇を目指す佐藤天彦名人と、タイトル通算100期&名人10期という節目のタイトルを狙う羽生善治竜王の対戦カードとあって、高い注目度でした。
注目の第1局は、羽生善治竜王の先手で始まりました。
名人戦は、最長で7局まで指すので、最初はじっくり腰を落ち着けて慎重にという思考が働いてしまいがちです。
でも、開幕早々、横歩取りという戦型の、かなり激しいパターンへ羽生竜王が踏み込んで行きました。
佐藤天彦名人も堂々と受けて立ったので、固唾をのむ緊迫の戦いが続きましたが、最後は羽生竜王が勝ち、挑戦者の先勝で名人戦が開幕しました。
第2局
続く第2局は、佐藤天彦名人の先手でした。
佐藤天彦名人は、開幕前に予想された戦型の一つ「角換わり戦法」を、第2局で採用しました。
序盤から、盤面左側で小競り合いが始まり、中央にお互いの角行を据えて睨みを利かせ合う展開になりました。
その後、盤面右側でうまく手を作った佐藤天彦名人が勝利し、1勝1敗の五分になりました。
佐藤天彦名人
2017年度は負け越し
2017年度は、佐藤天彦名人にとってやや厳しい年になりました。
若手の挑戦者、稲葉陽八段を迎えた名人戦は、4勝2敗で防衛したものの、その他のタイトル戦には挑戦は叶わず、年間成績は16勝19敗の.457で負け越してしまったのです。
不調が囁かれる向きもあったでしょうが、そこはやはり名人。
きっちりと調整し、名人戦に臨まれたのでしょう。
第2局までは、白熱したギリギリの勝負が続いていて、不調の雰囲気は微塵も感じさせません。
羽生善治竜王
年度が始まる前はタイトルを3つ(王位・王座・棋聖)を併せ持つ三冠王だったのですが、夏から秋にかけて、王位と王座のタイトル防衛に失敗し、一冠へ後退しました。
限界説のウワサがちらほら耳に入ったでしょうが、冬に始まる竜王戦ではきっちり挑戦権を獲得しました。
不調にあえいでいた渡辺明竜王から竜王位を奪取し、竜王復位&永世七冠を達成しました。
第3局の形勢の実況と結果の速報
第3局の実況
第2局に続いて、戦法は「角換わり」になりました。
序盤から中盤にかけて、両者とも二段目に王将を据え、飛車が最下段を行き来できる「引き飛車」の戦法へ進みます。
その後、盤面左寄りに角行を据えた後手の佐藤天彦名人に対し、羽生竜王は盤面右寄りで戦いを起こします。
羽生竜王陣の左寄りで戦いを起こしにかかる佐藤天彦名人のうごきに、羽生竜王は守備駒の金将を使って名人の飛車を追い払いました。
その後、佐藤天彦名人の角行の頭にあった銀将めがけて桂馬を放った羽生竜王が優勢を確立し、佐藤天彦名人の王将を召し捕りました。
第4局は?
これで羽生善治竜王が2勝1敗とリードし、第4局を迎えます。
注目の第4局は、5月19日・20日に行われます。
このまま一気に羽生竜王が王手をかけるのか、佐藤天彦名人が2勝2敗に踏みとどまるのか?
第4局も、目が離せません。
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