藤井聡太と羽生善治・谷川浩司・渡辺明を比較してみた!第10回

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通算勝率が驚異の8割越えを誇る藤井聡太七段を歴代の覇者(羽生善治・谷川浩司・渡辺明)と比較するシリーズの第10回は、藤井聡太七段と歴代の王者の「採用する戦型」の比較を、保存版としてまとめました。







藤井聡太と羽生善治・谷川浩司・渡辺明を比較第10回

戦法の流行りの変遷

かつては、「矢倉は将棋の純文学」なんて言葉があったように、歴代の王者は必ず矢倉で高い勝率を残されてきました。

少し前は、横歩取り後手8五飛戦法の登場で、横歩取りが全盛の時代もありました。

もちろん藤井聡太七段も、矢倉や横歩取りを苦手とされているわけではありません。

ですが、近年の急速なAIの発展で「角換わり」や「雁木」を高評価したことから、流行りがそちらへ移っていきました。

そんな時代背景もあって、居飛車党の藤井聡太七段が採用する戦型は、「角換わり」が一番多くなっています。

採用する戦型の比較表

藤井聡太七段と歴代王者の採用する戦型を、比較表にしてみました。

藤井 羽生 谷川 渡辺
1位 角換わり

(26%)

矢倉

(27%)

矢倉

(27%)

矢倉

(27%)

2位 矢倉

(21%)

横歩取り

(15%)

相掛かり

 (12%)

横歩取り

(16%)

3位 対中飛車居飛車

(13%)

角換わり

(11%)

横歩取り

(11%)

相掛かり

(14%)

羽生善治九段は、幼少の頃から横歩取りが好きだったこともあり、横歩取りの採用が2位になっています。

一方の、渡辺明二冠の2位に横歩取りが来ているのは、時代背景もあるでしょう。

やはりAI登場前は「矢倉」が、AI登場以降は「角換わり」が主流戦法になっていますね。

戦法別勝率の比較表

続いて、「主要戦法別の勝率」の比較表です。

藤井 羽生 谷川 渡辺
角換わり .861 .632 .636 .682
矢倉 .900 .718 .642 .687
横歩取り .500 .697 .537 .635

藤井聡太七段の横歩取りの勝率が目につきますが、そのほかは各王者とも極端な落ち込みがありません。

特に渡辺明二冠は、どの戦型・戦法でも近い勝率を残されています。

時代の覇者になるには、苦手戦法があるとまずいということなのでしょうね。

【次の記事】

藤井聡太と羽生善治・谷川浩司・渡辺明を比較!保存版まとめ第11回







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