奨励会で二段昇段を目指している将棋の加藤桃子初段(かとうももこ)の対局が、19年2月3日に行われました。結果はどうだったのか気になるところです。そこで今回は、奨励会の結果に加えて、いずれも女流棋士ではない、西山朋佳三段・中七海初段との実績比較もしてみました。奨励会退会&女流棋士デビューのニュースも合わせてまとめました。
(4/7 間違い修正 ご指摘ありがとうございます)
目次
奨励会の結果はどうなった?
18年4月3日の結果
直近18局を、11勝7敗(3連勝中)で来ていて、4月3日の対局は2局予定されていていました。
結果は、初戦が黒星で2戦目が白星の1勝1敗。
連勝は残念ながら止まってしまい、12勝8敗になりました。
ファンも残念ですが、白星がなかなかまとまって集まらない現実に、ご本人もストレスが溜まる状況でしょう。
二段への昇段規定に当てはめると、必要な白星は以下のとおりです。
昇段条件 | 必要な成績 |
12勝4敗 | 残り6連勝 |
14勝5敗 | 残り8勝1敗 |
16勝6敗 | 残り10勝2敗 |
白星が微妙に溜まっているので、6連勝できれば二段へ昇段することができます。
次回の対局は4月29日に予定されていますが、昇段の目を膨らませるためにも、ここは連勝が欲しいところです。
これまでの速報・成績と今後の奨励会速報のまとめは、以下の関連記事で紹介しています(最新更新:19年2月3日)。
奨励会を退会して女流棋士へ
二段への昇段へ向けて奮闘されていた加藤桃子さんですが、年齢制限までの時間が2年を切っていました。
冷静に考えて、ここから急浮上は考えにくいとご判断されたのか、女流棋士の道を選ばれました。
村)日本将棋連盟は、加藤桃子奨励会初段(24)が奨励会を退会し、女流棋士への資格申請書を提出したと発表しました。4月1日付で女流三段になるとのことです。規定通りなら「女流初段」になりますが、女流タイトル獲得8期の実績が考慮されました。
— 朝日新聞将棋取材班 (@asahi_shogi) 2019年3月27日
既にたくさんの女流タイトルを獲得されているので、出場できる女流タイトル戦が増えれば、里見香奈さんとの覇権争いが注目です👀
ご本人も、コメントを公表されています。。
4月1日付けで女流棋士になります。
奨励会退会は自ら諦め手放す訳ですから葛藤、気が重い日々でした。決断できてからは、前向きに明るく過ごせています。
何より新しく経験を積ませて頂ける環境に感謝しています。
改めて皆さまにはお世話になります。
今後も加藤桃子をよろしくお願い申し上げます。🍑— 加藤 桃子 (@mono_709) 2019年3月27日
加藤桃子と西山朋佳・中七海の実績を比較
3人の昇段スピードは?
入会〜初段〜三段までの歩み
段位は西山朋佳さんが三段で先行していますが、3人の昇段の実績を比較すると以下のようになります。
西山朋佳 | 加藤桃子 | 中七海 | |
奨励会入会 | 14歳
2010年3月 |
11歳
2006年9月 |
12歳
2011年9月 |
初段 |
18歳(3年10ヶ月) 2014年1月 |
19歳(8年8ヶ月)
2014年5月 |
19歳(6年6ヶ月) 2018年3月 |
二段 | 19歳(4年6ヶ月)
2014年9月 |
– | – |
三段 | 20歳(5年9ヶ月)
2015年12月 |
– | – |
※カッコ書きは、入会から要した年数
※中七海初段の生年月日が公表されていないため、年数のみ表示
奨励会へ入会した年齢は西山朋佳三段が一番遅いのですが、初段までに要した年数・初段から三段まで駆け上がった年数が突出しています。
加藤桃子初段に遅れた分を、取り返してあまりある格好です。
特筆すべきは20歳での三段昇段で、直近の三段リーグを見ても、10代で三段の人は36名中10名しかいません。
残り4年弱ですが、なんとか四段昇段(=将棋プロデビュー)を果たしてほしいものです。
なお、2018年4月からの三段リーグの対戦相手はまだ公表されていませんが、近いうちにリリースされるものと思われます。
三段リーグは年に2回しか開催されない
三段リーグは、年に2回(4月〜9月、10月〜3月)しか開催されません。
そのため、例えば5月に三段へ昇段してしまうと、次の三段リーグが開催される10月まで待っていないといけないのです。
年齢制限と戦っている奨励会員にとって、この無意味な時間はなんとも釈然としないはずです。
年齢制限間近になってこの「待ち時間」は痛恨になるので、加藤桃子初段・中七海初段ともに、一刻も早い三段昇段を叶えてほしいと思います。
3人の女流タイトル戦の実績は?
中七海さんは奨励会へ入会してから、女流タイトル戦には出場していませんが、西山朋佳三段と加藤桃子初段は、奨励会員としての立場で女流タイトル戦へ出場しています。
主な実績を比較すると、以下のとおりです。
西山朋佳三段 | 加藤桃子初段 | |
主な獲得タイトル | – | 8期 |
タイトル戦出場 | 1回 | 11回 |
もっとも顕著な成績を残されているのは加藤桃子初段で、中でもマイナビ女子オープン4連覇が光ります。
また女流王座戦も開催されてからまだ8年ですが、タイトルホルダーか挑戦者のどちらかに必ず名前があるほどの活躍ぶりです。
なお、上の表には含めていませんが、18年4月から始まるマイナビ女子オープン五番勝負で、2人が対戦します。
女性の強さランキング
女流棋士と女性奨励会員の強さを、様々な角度から分析したランキングにしてみました。
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西山朋佳さんの記事の一覧は【西山朋佳さんの関連記事】で、中七海さんの記事の一覧は、【中七海さんの関連記事】でまとめています。
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