将棋を始めたばかりの初心者に必ず立ちはだかるのが、「戦法の覚え方はどうするの?」という疑問でしょう。将棋の戦法は暗記するのか?忘れるのはいいのか? こんな疑問に対する筆者の考え方をまとめました。
目次
初心者が知っておきたい将棋戦法
囲い編
矢倉(やぐら)
一番有名な囲いで、プロだけでなくアマチュアでも多く指されています。
比較的簡単に指せるので、アマチュアでも覚えやすい指し方です。
特に上からの攻めに強いという特徴があります。
美濃囲い(みのがこい)
簡単に囲えるのと、アマチュアで人気の「振り飛車戦法」と相性がいい囲いとして知られています。
横からの攻めに対する防御力が高い囲いで、しかもそんなに手数をかけずに完成できる点が魅力です。
穴熊(あなぐま)
端っこに王将を潜らせて、その周りを金将・銀将で固める囲いです。
最強の防御力を持っていて、アマチュアでも人気の囲いです。
攻め方編
棒銀(ぼうぎん)
銀将(ぎんしょう)をどんどん前へ進めていって、相手の陣地を攻略する攻め方です。
相手側からすると、飛車(ひしゃ)と銀将がタッグを組んで攻めてくるので、しっかり防御しないと、一気に攻めつぶされる危険があります。
四間飛車(しけんびしゃ)
アマチュアに人気の戦法で、左から4列目に飛車を振る戦法です。
防御を主体にした戦法ですが、「藤井システム」という指し方が現れてからは、積極的に相手の王将付近へ攻撃を仕掛けるようになりました。
三間飛車(さんげんびしゃ)
四間飛車よりもう一列左へ飛車を振る戦法です。
中飛車(なかびしゃ)
四間飛車と同じくアマチュアに人気の戦法です。
「ゴキゲン中飛車」という戦法が編み出されてからは、非常に激しい戦いになりやすいという特徴があります。
暗記するの?忘れる・覚えられないけどいいの?
本を読むのはいいが暗記しようとしない
将棋の戦法本を買ったら、暗記して実戦で使いたくなります。
筆者もそうでした。
でも、アマチュア同士の場合は、局面が本に書いてある通りになることは稀です。
それに、本に書いていることはとても難しいです。
必死に暗記しても、実際の対局の時にはすっかり忘れてしまってました。
なので、時間のあるときにしっかり読みますが、意味を理解しようとはするものの、覚えないようにしました。
理解していたら、実際の対局の時に使いこなせるはずと思ったからです。
覚えようとしない
将棋の戦法の学習は、学校の試験ではないので、「丸暗記して吐き出す」というアプローチは、有用でないと思っています。
そもそも、「吐き出すタイミング」が訪れないことも多々あるからです。
将棋の戦法は、意味がわかっているから、使うべきタイミングがわかりますし、記憶に残ります。
「自分の言葉で説明できる」レベルになって初めて自分のものになりますから、「なんとなくわかった感覚」がないと、そもそも理解できていないということだからです。
だから、将棋の本を読んで、エッセンスがなんとなくわかったら、「覚えようとしない」ようにしましょう。
大事なのは、この「なんとなくわかった感覚」です。
「これにて先手優勢・後手優勢」が理解できないし
将棋の戦法解説本でよく見かける表現が、「これにて先手優勢・後手優勢」という表現です。
プロ的にはその局面で「先手優勢・後手優勢」が明らかなんでしょう。
でも、筆者のようなアマチュアレベルだと、「なんで先手優勢・後手優勢」と言えるのかが謎なことが多いです。
プロが形勢を判断した局面から、具体的に優勢・勝利まで持っていく実力がないからです。
なので、その局面で深く考え込むことはせずに、「そういうものか」程度に軽く受け止めることにしました。
覚え方はどうする?
プロの対局を見る
とはいうものの、良い戦法は使いこなせた方がいいのは事実です。
筆者が重視しているのは、身に付けたい戦法が使われた「プロの対局」を見るという方法です。
なぜ重視しているかというと、以下の2つを同時に学べるからです。
- 学びたい戦法の対局を最後まで見れる(=「これにて優勢」以降も対局は続く)
- 相手の動きに応じて、どう変化するのかが学べる(=本通りには対局は進まないので)
例えば将棋年鑑という本を見れば、戦法の名前も書いてくれているので、自分の学びたい戦法だけ取り上げて、将棋プロの対局を調べることができます。
また、日本将棋連盟が運営している公式アプリには、戦型・戦法を絞って、過去の対局を観戦することができます。
最近は、戦法の本よりも、こういった「プロの対局」をみて戦法を学ぶようにしています。
対局で実際に使ってみる
プロの対局を見続けただけでは、実際に使えるようにはなりません。
道場でもネット将棋でもいいので、なるべくその戦法を「実際に」使うように心がけました。
自分の指した対局の記録を残しておいて、対局が終わってから振り返りました。
戦法を細かく覚えてなかったとしても、どの局面で変な手を指してしまったか、プロとは違う手を指してしまったかを分析してみるのです。
この繰り返しで、徐々に戦法の知識が身についていきました。
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