女性初の将棋プロを目指して挑戦を続けていた里見香奈さんが、先日開催されたリーグ戦で連敗し、原則ルールのもとでの将棋プロの道が途絶えてしまいました。プロ(四段)の一歩手前まで迫っていたので非常に残念ですが、今後どうなるのでしょうか?そこで今回は、里見さんが取りうる選択肢を紹介しつつ、他の女性が将棋プロになるとしたら誰なのか、その可能性についてまとめました。
目次
里見香奈さん今後はどうなる?
ご本人が今後について発言をされているわけではないので、選択肢を示すのみになりますが、里見香奈さんが取りうる方法として以下の3つが考えられます。
女流棋士に専念する(選択肢1)
里見さんはこれまで、女流棋士として活動する傍ら、女流と区別のない「将棋プロ(四段)」を目指して挑戦を続けられてきました。
後者の原則的な道が絶たれてしまったので、女流棋士1本で勝負するという方法が考えられます。
女流将棋界にはタイトルが6つあり、そのうち5つを里見さんが持っています。
これからも女流棋士として活躍し続けることは、十分可能でしょうし、可能性は極めて高いと言えます。
三段リーグに復帰する(選択肢2)
先ほどから「原則」という表現を用いているのは、例外規定があるからです。
プロになるための最後の難関を「三段リーグ」といい、このリーグに在籍している36名のうち、原則トップ2名にならないと将棋プロ(四段)にはなれません。
詳しくは関連記事で解説していますが、この三段リーグに例外規定として「三段リーグ編入試験」という制度があり、試験に合格すれば最大4期(2年間)三段リーグに在籍し続けることができます。
関連記事:【里見香奈 奨励会退会】四段の道は?三段リーグ編入試験とプロ編入試験がある!
後ほど選択肢3として紹介する方法は、少なくとも数年かかる道です。
里見さんは過去から将棋プロへの強い思いを何度も口にされているので、ここで諦めることは考えにくいです。
そこで個人的な見解になりますが、この選択肢2にもう一度チャレンジするのではと思っています。
将棋プロの試験を受験する(選択肢3)
将棋プロ(四段)になるには、一定の条件を満たせば直接プロへなるための試験を受けることもできます。
「プロ編入試験」といわれるもので、直近に将棋プロになった5名と対局し、勝ち越せば将棋プロになれるというものです。
詳しくは、上記の関連記事で解説しているので、参考にして下さい。
将棋プロ初の女性棋士は誰?可能性は?
里見さん以外にも挑戦している人はいる
将棋プロ(四段)を目指して挑戦しているのは、里見さんだけではありません。
将棋プロの養成機関である「奨励会」の一番トップである「三段」までたどり着いているのは、里見さんの他にもう一名いらっしゃいます。
西山朋佳という女性で、2015年12月に三段になりました。
里見さんと同じく苦戦されていますが、年齢制限まではまだしばらく時間が残されています。
里見さんとは違って、将棋プロ1本に絞って挑戦を続けられています。
西山朋佳さんの可能性は?
今期の三段リーグでは、残り2局を残して6勝10敗と苦しい星ですが、過去には10勝8敗と勝ち越したこともある、里見さんに並ぶ実力者です。
現に、奨励会員の女性にも門戸を広げている女流タイトル戦の本戦では、女流五冠の里見さんを相手に堂々の勝利をおさめています。
西山さんの、初参加からの三段リーグの成績は以下の通りです。
59期三段リーグ | 10勝8敗 |
60期三段リーグ | 6勝12敗 |
61期三段リーグ | 9勝9敗 |
62期三段リーグ(現在開催中) | 6勝10敗 |
もちろん西山さん以外の女性が初の将棋プロ(四段)の夢を叶えるかもしれませんが、現時点でポジション・実力的に一番近い方は、間違いなく西山朋佳さんでしょう。
リーグでの実績も、四段になれる可能性を示していますから、十分可能性はあります。
里見さんと同様に、西山さんの今後にも注目です!
関連記事:【初の女性棋士は誰?】西山朋佳が挑む将棋プロ棋士の可能性は?
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