駒の動かし方を学んだ後、いざ対局しようとした時に「将棋の一手目は?」「最初の動きは?」「最初の一手はどう動かすといいの?」と思った方はいませんか? 初心者が「何をどう動かしたらいいかわからない」「駒の損得?」と感じるのは、当然のことです。今日は、そんな疑問にお答えします。
目次
最初の一手どう動かすといいの?
大駒を動きやすくすることから始める
将棋の駒をよく見ると、それぞれの駒が微妙に大きさが違います。
だいたい、王将→飛車・角行→金将・銀将→桂馬・香車→歩兵という順番で、右に行くほど小さくなっていきます。
このうち、飛車(ひしゃ)と角行(かくぎょう)のことを、「大駒」(おおごま)と言います。
そもそも形が大きいのと、動きがダイナミックにできるところから名付けられたのかもしれません。
大きく動けるから攻撃力も高くなるので、大駒が動きやすくなると、相手にとっては脅威です。
なので、まず最初は「大駒を動きやすくする手」から始めましょう。
例えば、飛車の上にある歩兵をどんどん前へ進めたり、
角行の斜め右の歩兵を動かしたりする手です。
次に王将を囲う
将棋は王将を取り合うゲームなので、自分の王将の防御力は、極力高めておきたいものです。
なので、なるべく早い目に王将は囲いの中へ入れましょう。
囲いについては、以下の関連記事で解説していますので、参考にして下さい。
何を動かしたらいいかわからない場合は?
相手は何をされたら嫌か考える
自分の方から動く手がない時や、思い浮かばない時は、相手が何をしたいか考えてみましょう。
仮に、相手が自分の銀将を取りに来ているのなら、銀将が取られないように防御したり、相手の飛車が自分の陣地へ侵入しようとしているのなら、侵入させないように防御するような感じです。
とにかく攻撃する
相手の駒を取りに行ったり、相手の陣地に侵入したりするなど、とにかく攻撃を仕掛けましょう。
「正しくは無理攻めだったけど、相手が受け損なって攻撃が決まっちゃった」なんてことも、頻繁にあります。
但し、アマチュア高段者やプロは防御がしっかりしているので、無理攻めはしっかり咎められるのでご注意下さい。
相手の王将近くを攻撃する
相手も王将を取られたくないので、王将近くでドンパチが始まったらいい気分ではありません。
流れ弾が王将に当たることがあるからです。
なので何をするか困ったら、相手の王将近くで戦いを起こしてみましょう。
相手が受け損ねる可能性もあります。
初心者が知っておきたい駒の損得
駒の損得の基本的な考え方の一例を紹介します。
あくまでも一例なので、局面によっては考え方は変わってきますから、注意しましょう。
一番大事なのは王将(おうしょう)
将棋は、王将をいかに早く取るかを競うゲームです。
どんなに駒をたくさん取っても、先に自分の王将を取られたら負けです。
将棋の格言に、「ヘボ将棋、王より飛車を可愛がり」というのがあります。
最強の攻撃駒の飛車(ひしゃ)を大事にするあまりに、王将と取られちゃってはいけません。
一番大事なのは、どんな時も王将ということを覚えておきましょう。
飛車と角行(ひしゃとかくぎょう)
将棋の駒の重要さは、概ね駒の大きさと比例するので、飛車と角行は王将の次に大事な駒です。
では、飛車と角行のどっちが大事なのでしょうか。
これは、プレイヤーの好みによるところも大きいですが、「その駒を取った後に、すぐ使える可能性が高いのはどっち?」で判断するのがいいのではないでしょうか?
例えばこんな局面です(持ち駒は飛車と角行)。
飛車を5二のマスへ置けば、「王手」ができますし、王将が逃げても、3二の金将は誰にも守られていないので、タダでもらえます。
これは「両取り」という、「どちらかは必ずもらいますよ」という手です。
この場合は、角行に比べて飛車の方が価値がより高くなります。
金将(きんしょう)
守りの要駒です。
飛車や角行ほどダイナミックな動きはできませんが、王将・飛車・角行以外では一番重要視すべき駒でしょう。
飛車・角行は守備には適していないケースが多いので、場合によっては、飛車・角行よりも重要度が上がることがあります。
取られると相手の守備力が上がる一方で、自分の守備は間違いなく弱体化するので、金将は極力取られないようにしましょう。
銀将(ぎんしょう)
攻撃にも守備にも使える、使い勝手のいい駒です。
金将との重要度の比較は難しいのですが、取られると相手の攻撃が勢いづきます。
金将よりは若干劣るものの、取られたくない駒です。
香車と桂馬(きょうしゃとけいま)
金将や銀将よりは劣りますが、攻撃に弾みをつける駒です。
金将や銀将の次に大事にしたい駒です。
歩兵(ふひょう)
たくさんあるので軽視しがちですが、攻撃を始める時や防御に欠かせない駒です。
関連記事で紹介していますが、いろんな場面で大活躍します。
将棋の格言でも「歩のない将棋は負け将棋」と言われているので、軽視はしないようにしましょう。
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