歩兵(ふひょう)の動かし方のコツを知っていて使えると、将棋が強くなります。今日は、歩兵の動かし方のコツ・手筋をわかりやすく教えるシリーズの2回目です。
目次
歩兵の動かし方のコツ・手筋
焦点の歩(しょうてんのふ)
相手の駒がよく働いているときに、その働きを下げるために使うコツ・手筋です。
具体的には、敵の複数の駒の進路が重なるところに、歩兵(ふひょう)を置くのです。
以下の図を見て下さい。
敵の香車(きょうしゃ)と桂馬が自分の陣地を狙っていますね。
そこで、香車(きょうしゃ)と桂馬(けいま)の進路の重なるところに、歩兵(ふひょう)を配置して、「取ってもらう」のです。
相手は、香車でこの歩兵を取ると、自分の桂馬の進路を香車が遮ってしまいます。
また、桂馬で取ると、自分の駒(桂馬)が香車の進路を遮ります。
これが、焦点の歩(しょうてんのふ)の効果です。
叩きの歩(たたきのふ)
この図を見て下さい。
飛車(ひしゃ)で相手の王様を攻撃しているのですが、相手の金将(きんしょう)と銀将(ぎんしょう)が邪魔をしています。
こんな形になっていれば、飛車(ひしゃ)の動ける先に相手の王様がいるので、相手の王様が取れる(=勝ち)のです。
そこで、自分の歩兵を使って、この理想形を目指します。
こんな感じで、相手の金将(きんしょう)の頭に歩兵(ふひょう)を打ち込むのです。
「タダで取られるじゃん!」と思われるかもしれません。
はい、タダで取ってもらうのです。
タダで取ったら、こんな感じになります。
そうすると、4一の場所にいる銀将(ぎんしょう)を守っている駒がなくなって、自分の飛車(ひしゃ)で、「この銀将を取る&相手の王様を攻撃できる」のです。
これが、「焦点の歩」(しょうてんのふ)の効果です。
底歩(そこふ)
今、相手の飛車の動ける先に自分の王様が入っている(=王手:おうて)状態です。
何とかしないと、次に自分の王様が取られてしまいます(=負け)。
そこで金将(きんしょう)の下に、歩兵(ふひょう)を打ちます。
これで、相手の飛車は自分の歩兵を取れなくなってしまいました。
自分の金将が歩兵を守っているので、もし相手の飛車が歩兵を取りに来たら、金将で取り返せるからです。
これを「底歩」(そこふ)といい、非常に防御力の高い形です。
将棋の格言でも「金底の歩、岩より堅し」と言われています。
単打の歩(たんだのふ)
このコツ・手筋は、以下のような局面の時に大きな効果があります。
では、どこに歩兵(ふひょう)を打つのでしょうか?
そうです、相手の金将(きんしょう)の頭に歩兵を打つのです。
相手は、銀将でも金将でもこの歩兵を取れますが、取ると飛車が以下の駒をとって、王様へ攻撃できます。
- 相手が銀将で取る:飛車(ひしゃ)で、金将が取れて、王様も攻撃できる
- 相手が金将で取る:飛車(ひしゃ)で、銀将が取れて、王様も攻撃できる
歩兵1本で、相手が痺れてしまっています。
「痺れる」は、将棋用語の一つで、「どう対応しても、形勢に大きな差がついてしまう一撃を食らってしまった」という意味で用いられます。
この他の「歩兵のコツ・手筋」は、以下の関連記事で解説していますので、参考にして下さい。
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