活躍した時代の絶対王者の称号でもある「永世名人」は、藤井聡太七段と比べてどれくらい強いのでしょうか?今回は絶対永久保存版として、藤井聡太七段と歴代永世名人のレーティングを比較してみました。
目次
藤井聡太と歴代永世名人のレーティングを比較
レーティング
将棋プロ棋士の強さを測る指標として、勝率があります。
ただ勝率は、デビュー間もない棋士達に5割勝った場合と、トッププロ棋士に5割勝った場合は、同じ「勝率5割」として評価されるという側面があります。
つまり、「相手の強さ」とか「その時代での突出度」は評価されないのです。
そんな欠点を補うのがレーティングで、勝率をベースとしつつも「相手の強さ」を考慮に入れた指標です。
ですから、対戦相手や活躍した時代の違う将棋プロ棋士同士の強さを客観的に比較することが可能なのです。
ただし、後の時代に活躍された方は「前の時代に活躍された方の棋譜を学ぶことができる」というアドバンテージがあるので、そこは割り引いて考える必要があります。
歴代永世名人のレーティング
永世名人は以下の6名ですが、このうち木村義雄十四世名人についてはデータがないので、比較の対象から除外しています。
A級に所属している将棋プロ棋士のレーティングをもとに、1800点以上を「トッププロ棋士」という評価をして分析しています。
大山康晴十五世名人 (名人在位:18期)
昭和の中盤に活躍された大名人で、あらゆるタイトルを総なめにし続けた絶対王者です。
1960年前後から1800を超えて、1978年前後に一度落ち込んだものの1985年あたりまで1800点を維持し続けています。
中原誠十六世名人 (名人在位:15期)
大山名人の次の時代の王者で、ほぼ同じ水準の名人獲得を果たしています。
中原名人の顕著な特徴は、活躍期間の長さです。
1968年前後に1800を超えてから、2000年まで維持し続けています。
それだけ長い間、トッププロ棋士だったという何よりの証です。
谷川浩司十七世名人 (名人在位:5期)
谷川名人も活躍期間が非常に長いです。
1982年あたりに1800を超えてから、2010年まで1800をキープしていました。
強さの割に名人・タイトル獲得数が伸びていないのは、やはり同じ時代に史上最強棋士「羽生善治」がいたからでしょう😅
森内俊之十八世名人 (名人在位:8期)
羽生善治名人と9度の名人戦は、名人戦史上でも「大山vs升田」に並ぶゴールデンカードでした。
その数々の激闘の中で達成した「8期」は、非常に価値の高い記録です。
2016年から成績が落ち込んでいますが、1991年あたりから2015年あたりまで、トッププロ棋士でありつづけました。
羽生善治十九世名人 (名人在位:9期)
どの永世名人も超えなかった2000の壁を軽々とクリアしています。
このところ若手の猛追を受けていますが、レーティングを見ると「強いトッププロ棋士の水準に戻っただけ」なのがよくわかります。
むしろ、2000を超えている年度も多いので、まさに「手がつけられない強さ」だったことがわかります。
藤井聡太七段
まだデビュー数年ですが、トッププロ棋士との対局をこなした中でこの水準を維持しているとは、特筆ものです。
歴代永世名人との比較
まとめた表はこちらですが、あらためて藤井聡太七段が「歴代永世名人と比べても遜色ない水準」なのがよく分かります。
むしろ、「どの程度の水準に達するか?」「羽生善治九段の記録に追いつけるか?」の方により高い関心を持って今後も応援し続けたいですね。
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