春から始まる将棋名人戦は、一番伝統のある格式の高いタイトル戦です。その挑戦者を決めるリーグ戦が残り1局を残すのみになりました。挑戦者は誰になるのか、どうなるのか、興味は尽きません。そこで今回は、名人挑戦者を決めるリーグ戦の最新の結果と、誰が挑戦者になるか予想してみました。
目次
名人戦の挑戦者を決めるリーグ戦
順位戦とは?
名人戦の挑戦者は、挑戦者決定リーグを勝ち上がってきた棋士です。
挑戦者決定リーグも1つではなく、全部で5つからなります。
上から順にA級→B級1組→B級2組→C級1組→C級2組という順番で、将棋プロとしてデビューしたらC級2組からスタートします。
つまり、名人戦の挑戦者を決める側面以外に、将棋プロの「格」を決めるリーグ戦でもあります。
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名人戦挑戦者はA級のトップ
5つのリーグそれぞれのトップが名人挑戦者になれる権利があるわけではなく、一番上のリーグのA級で、10人の将棋プロ棋士のトップになれば、名人戦の挑戦者になれます。
一番上のリーグですから、10人はいずれも強豪棋士なのは間違いなく、そこのトップになることは並大抵ではありません。
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そういった背景もあって、名人戦の格・権威の高さが保たれているとも言えます。
ちなみに現在の名人は佐藤天彦さんで、名人を2連覇中です。
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リーグ戦の結果はどうなるか予想
A級順位戦は3月に最終局
将棋の世界では4月から新年度が始まり、翌年の3月に終了します。
A級順位戦も同様に3月に終了するのと、最終局は5局(10名なので)とも同じ日に一斉に対局することもあって、将棋界の一大イベントになっています。
現時点で誰がトップ?
今年に限っては、特例で1名増員になっているのでA級棋士は11名いますが、勝ち数の順番は以下の通りです。
3敗 | 久保王将、豊島八段 |
4敗 | 羽生竜王、稲葉八段、広瀬八段、佐藤康光九段 |
残り1局なので、4敗までが挑戦圏内です。
仮に複数の棋士がトップに並んだら、プレーオフをして挑戦者を決めます。
名人戦挑戦者は誰?
挑戦者になれる可能性が6人に残されているので、それぞれの棋士について可能性を探っていきましょう。
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久保王将
タイトル獲得数は6期を数え、現在も王将を保持しているトップ棋士の一人です。
A級での在籍歴も長く、タイトル戦での経験も豊富です。
最終戦の対戦相手は深浦九段で強豪ですが、今季のリーグ戦成績は4勝5敗とやや不調です。
このままトップでゴールする可能性も十分にあります。
豊島八段
タイトル獲得歴はないものの、既に4度タイトル戦の経験があり(現在も久保王将に挑戦中)、トップ棋士の一人です。
リーグの中盤まで5連勝で走っていたので、「名人挑戦者は決定か?」と見られていましたが、後半に連敗してしまいました。
最終局の相手は王位獲得経験もある広瀬八段で、今季のリーグは5勝4敗と勝ち越しています。
久保王将に比べると、対戦相手は厳しいと言えるでしょう。
羽生竜王
将棋界の第一人者です。
前半で2敗してしまった時はどうかと思いましたが、きっちり挑戦者争いに絡んでくるあたりはさすがです。
今季は11名在籍ということもあって、既に全対局を終了しています。
稲葉八段
前期名人戦の挑戦者です。
前期に比べると今期のA級順位戦は低調でしたが、最終局を残して挑戦者の目を残しています。
最終局の相手は行方八段で、今期は3勝6敗と苦しい星です。
タイトル挑戦の経験を持たれた方なので、トップ棋士の一人ですが、今期に限っては稲葉八段が勝つ可能性が少し高いと考えられます。
広瀬八段
過去に王位の獲得経験もある、トップ棋士です。
最終局の相手が豊島八段なので、まさに鬼勝負と言えるでしょう。
佐藤康光九段
羽生竜王のライバルで、いくつものタイトル獲得経験のある不動のトップ棋士です。
ここ数年の順位戦は不調気味でしたが、今期は最終局を残して勝ち越しています。
最終局の相手は、既に降級が決まっている屋敷九段なので、油断は禁物ですが、勝つ可能性があるといえます。
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