将棋初心者にとって「攻め方どうする?」は、上達の壁の一つです。そこで、初心者向けの記事として、攻め方のコツ・強くなるための「考え方の指針」をまとめました。第1回は「序盤戦」です。
目次
攻め方のコツ序盤編(初心者向け)
数の攻め
守る側が1枚の場合、2枚の駒で攻撃すれば、攻撃は成功します。
将棋をたしなむ方の中には「足し算の攻め」とも言うことがありますが、意外に受けにくいのです。
例を挙げてみます。
この局面は、香車(きょうしゃ)が相手の陣地である2三へ侵入を企んでいるので、金将(きんしょう)で防御しています。
香車が2三へ侵入すれば、金将に取られてしまいます。
なぜなら、攻撃側が1枚に対し防御側も1枚なので、「数」で上回っていないからです。
では、仮に防御側に持ち駒がなく、一方で攻撃側が桂馬を持っていたら、どうでしょうか?
3五に桂馬を打って、2三へ侵入を企んでいる駒を2枚に増やしてみます。
2三を守っている駒が金将1枚に対し、攻撃側は桂馬と香車の2枚です。
攻撃側の枚数が上回っているので、2三への侵入は成功します。
難しい定跡や手筋などのコツを覚える前に、「数の攻め」を意識してみましょう。
意識するだけで、結果が変わってきます。
相手が2枚で守っているなら、3枚で攻撃すればいいのです。
まずは歩兵の突き捨てから
先日の記事で、歩兵(ふひょう)は攻撃のコツがたくさんあることを紹介しました。
【関連記事:歩兵を使った攻撃のコツ】
攻撃の開始も、いきなり飛車や角行がドンパチするのは稀で、歩兵の折衝から始まります。
理由は、「二歩は反則」というルールがあるからです。
「二歩」の解説は以下の記事で紹介していますが、具体的な局面を見てみましょう。
【関連記事:歩兵の使い方のコツその1】
歩兵の使い方はどうすると上手く・強くなる? 将棋の駒の使い方のコツと上達のヒント・手筋その1!
2二のところに歩兵を打てば、相手の桂馬は逃げることができない局面です。
でも、よく見ると、2五に自分の歩兵がいるので、2二に歩兵を打つと、「二歩」(にふ)という反則で負けてしまいます。
こんな時に、「歩の突き捨て」というテクニックを使います。
一旦、2四に歩兵を動かして、タダで取ってもらうのです。
「歩の突き捨て」というテクニックを使うことで、「自分の歩兵に一旦消えてもらう」のです。
歩兵は極力複数枚持ち駒にしよう
歩兵は、相手の隙を作ったり、自分にとって好都合な位置へ相手の駒を移動させたりなど、攻撃に欠かせない駒です。
一マスずつしか動けないので軽視されがちですが、将棋が強い人ほど歩兵を大切にします。
歩兵が手に入れられる可能性があったら、積極的にたくさん取りに行きましょう。
と金を作ろう
歩兵は、相手の陣地に入ると「と金」にパワーアップし、金将(きんしょう)と同じ動きができます。
一方で、相手に取られると「歩兵」に戻ります。
相手から見ると「と金」は、「自分の陣地では金将として動くのに、捕獲しても歩兵にしかならない」という厄介な駒です。
日常生活では相手の嫌がることをしてはいけませんが、将棋では相手の嫌がることをたくさんした方が勝ちます。
「と金」は積極的に作って行きましょう。
強くなるための指針・上達するためにはどうするか?
他にも上達するには欠かせない、序盤の考え方があるので、紹介していきます。
歩のない将棋は負け将棋・一歩千金(いっぷせんきん)
プロの対局の解説で、「歩切れが痛い」というコメントを耳にすることがあります。
これまでの説明で痛感されているかもしれませんが、歩兵は攻撃に不可欠です。
歩兵がないと、将棋には勝てないということでもありますから、攻撃を始める前にはまず歩兵の捕獲から始めていきましょう。
居玉は避けよう(いぎょく)
将棋を始める時、王将は真ん中のマスにいますよね。
将棋の指し手が進んでも、最初のマスから動かないことを「居玉」(いぎょく)といいます。
将棋は、ドンパチが始まる中盤になると、動かすべき駒がたくさん出てきて、なかなか王将の防御にまで手が回りません。
一方で後回しにしていると、王将に流れ弾が当たって、不完全燃焼のまま負けてしまうことにもなりかねません。
なので、初心者の段階では、まず最初に王将を「囲い」の中へ入場させてから、攻撃を始めるようにしましょう。
【関連記事】
将棋初心者向けの囲い・陣形の崩し方や攻略法は? 攻め方や弱点はどこか解説!
王の守りは金銀3枚
将棋の有名な囲いに、「矢倉」(やぐら)・「美濃囲い」(みのがこい)・「穴熊」(あなぐま)があります。
じっくり見ると、いずれの囲いも「金銀3枚」で固めています。
つまり、王将をしっかり守ろうと思ったら、金将・銀将を3枚近くに寄せておく必要があるのです。
【関連記事:中盤編】
こちらの記事もおすすめです