「藤井聡太七段は、将棋界の歴代の王者に比べてどうなのか?」は、ファンにとって最大の関心事です。今回からのシリーズでは、歴代の覇者たち(羽生善治・谷川浩司・渡辺明)と藤井聡太七段を様々な視点から比較して、「藤井聡太の未来」を予想します。
目次
将棋界の歴代覇者・王者
共通項は「中学生棋士」
将棋界にはこれまで何名かの覇者・王者がいました。
古くは木村義雄・大山康晴・升田幸三・中原誠・米長邦雄の歴代名人ですが、中原誠十六世名人を除いて、すべて鬼籍へ入られています。
そこで今回のシリーズでは、「現役棋士」というフィルターで「歴代覇者・王者」をピックアップしました。
そして、「未来の覇者・王者」と目されている藤井聡太七段と、様々な視点から比較していきます。
羽生善治九段
将棋界の歴史上、最強にして最大の覇者・王者です。
史上三人目の「中学生棋士」としてプロデビューされて、数々の大記録を打ち立てられてきました。
ファンの誰もが、「羽生善治 vs 藤井聡太」の将棋タイトル戦を待ち望んでいるのは間違いありません。
1991年日本橋東急将棋まつり、中原誠名人と羽生善治棋王。(1991年将棋マガジン、撮影は中野英伴さん) pic.twitter.com/V6xf8k9lJh
— 将棋ペンクラブログ (@shogipenclublog) 2019年5月9日
谷川浩司九段
羽生善治九段と数々の激闘名勝負を演じてきた、永世名人です。
「羽生善治のライバルの一人」という見方が一般的ですが、「羽生善治の前の覇者・王者」という見方の方がより適切ではないでしょうか?
ご本人は「谷川時代をまだ作っていない」という表現を用いられていますが、正確には「谷川時代の真っ最中に羽生善治が台頭してきた」と言うべきでしょう。
歴史に「たられば」はありませんが、羽生善治九段の台頭がもう少し遅ければ、谷川浩司九段がかなりの記録を打ち立てられたはずなのは間違いないでしょう。
万葉倶楽部。谷川浩司九段👑。かっこいい痺れる pic.twitter.com/IYcaYVkUGb
— きゅうす (@Lypalskyyy) 2019年2月16日
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渡辺明
羽生善治にタイトル戦で勝ち越し
多くの棋士の「羽生善治九段との対戦成績」はワンサイドになる中で、渡辺明二冠だけは
「36勝-40敗」
とほぼ五分の成績を残しています。
タイトル戦に限ると、9度のタイトル戦で5回「防衛/奪取 (=勝利)」を果たしています。
タイトル戦の舞台で2回以上の対戦がある人で、羽生善治九段に対してタイトル戦で勝ち越しているのは、おそらく渡辺明二冠だけだと思います。
藤井聡太七段に立ちはだかる一番手の可能性大
もうすぐ始まる棋聖戦で豊島将之二冠との頂上決戦に勝利すると、「渡辺明三冠」が誕生する可能性がありあす。
羽生善治九段との対戦成績や現在の調子・過去の実績を考えると、今後渡辺明二冠が藤井聡太七段の行く手を遮る一番手になる可能性は十分考えられます。
遅くなってしまいましたが、5月4日の渡辺明杯かつしか子ども大会にご参加の皆様ありがとうございました。
指導対局もたくさんご参加いただきました。
かつしか子ども名人戦で優勝の子は渡辺明二冠との記念対局は飛車落ちで見事な勝利をあげました。
所司和晴 pic.twitter.com/UxESmrX85V— 所司一門将棋センター青砥店 (@shoshi_aoto) 2019年5月8日
比較その1
プロデビューの年齢
【藤井聡太と羽生善治・谷川浩司・渡辺明を比較🤔】
✅プロデビュー
藤井 14歳2ヶ月
羽生 15歳2ヶ月
谷川 14歳8ヶ月
渡辺 15歳11ヶ月✅公式戦初優勝
藤井 16歳6ヶ月 (朝日杯)
羽生 17歳2ヶ月 (天王戦)
谷川 21歳2ヶ月 (名人戦:タイトル)
渡辺 20歳8ヶ月 (竜王戦:タイトル) pic.twitter.com/SemcVNeXDH— 将棋ポケット@将棋ブログ (@shogipocket) 2019年5月10日
プロデビューの年齢は、やはり藤井聡太七段の記録がひときわ目を引きます👀
とはいえ、他の3名の王者も15歳までにはプロ入りを果たしています。
公式戦初優勝
昔に比べて将棋の公式戦は増加傾向にあるので、藤井聡太七段にとって有利な状況ではあります。
公式戦初優勝も藤井聡太七段が1番ではありますが、2位の羽生善治九段も半年程度の差しかありません。
谷川と渡辺の両王者は、公式戦初優勝がビッグタイトルの「名人」「竜王」というところが、やはり王者に相応しい実績といえると思います。
王者になる人は、チャンスをほぼ1回でつかみます。
羽生善治九段と谷川浩司九段は最初のタイトル戦でタイトルを獲得しましたし、渡辺明二冠も2度目でした。
覇者になる人は、本当にモタモタしないんです。
「食べますか?」とメニューを出されたらすぐに、「いただきますっ!」って感じで平らげてしまいます。
藤井聡太七段も朝日杯の連覇を見ると、その可能性は大と言えるでしょう。
はたして、初めてのタイトル戦は誰とでしょうか?
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