「里見香奈女流四冠の強さはどれくらいか?」は、将棋ファンの永遠のテーマです。そこで2018年度の男性棋士との公式戦成績から強さを比較して、「里見香奈女流四冠が男性将棋プロ棋士だったら」どんな成績になるか試算しました。
目次
女流棋士は男性将棋プロ棋士の公式戦に出場できる
女流棋士が出場できる公式戦
「女流棋士」は、男女区別のない将棋プロ棋士とは別枠の制度です。
なので、女流棋士は原則的には「男性将棋プロ棋士の公式戦」への出場はできませんが、中には女流棋士にも出場資格が認められている公式戦があります。
具体的には以下のとおりです。
- タイトル戦:竜王戦・王位戦・王座戦・棋王戦・棋聖戦・叡王戦
- その他の公式戦:朝日杯・NHK杯・新人王戦・銀河戦・加古川青流戦
トップレベルの女流棋士に出場権
細かい規定があるので詳細は省略しますが、将棋プロ棋士の公式戦へ出場するには、女流棋士でトップクラスの成績を収めることが求められます。
里見香奈さんは、女流タイトル6つ(※)のうち4つを獲得しているので、文句なしの女流トップです。
なので、「女流棋士へ門戸を開いている公式戦」は、ほぼ大半に出場することができます。
※2019年度に創設された清麗戦を除く
【番組公開】
8/24(金)10時より、『第90期棋聖戦1次予選 藤井聡太七段 vs.里見香奈女流四冠』の対局を生放送します。
藤井七段と里見女流四冠は公式戦では初対局となります。
●視聴→ https://t.co/DInDpqod2X pic.twitter.com/idKLqcmPX1— ニコ生公式_将棋 (@nico2shogi) 2018年8月17日
里見香奈のvs男性プロの成績
対戦成績比較表
里見香奈女流四冠が対戦した男性将棋プロ棋士との対戦成績を、以下のようにまとめました。
強さを測る指標として「キャリア通算勝率」と「レーティング」を使いました。
里見香奈の強さを試算
里見香奈女流四冠が負けた相手で一番強いのは、もちろん藤井聡太七段です。
キャリア通算勝率.855でレーティングは1923ですが、あまりに突出しすぎていて試算には使えないので、除外して考えました。
また、2度対局して1勝1敗になった将棋プロ棋士も里見香奈女流四冠とどちらが強いのか判定できなかったので、同じく除外しました。
負けた相手の平均値
負けた相手で成績が一番良いのは池永四段で、通算勝率は.553でレーティングは1541です。
一方、負けた相手で一番成績が低いのは脇八段で、通算勝率は.487でレーティングは1417です。
よって、負けた相手の平均通算勝率は.520でレーティングは1479あたりと試算しました。
勝った相手の平均値
一方、勝った相手で一番成績が良いのは長沼洋七段で、通算勝率は.507でレーティングは1422です。
一番成績が低いのは福崎文吾九段で、通算勝率は.474でレーティングは1405です。
よって、勝った相手の平均通算勝率は.491でレーティングは1414あたりと試算しました。
里見香奈女流四冠の強さの試算
負けた相手の平均と勝った相手の真ん中あたりが、里見香奈女流四冠の「男性将棋プロ棋士版」の成績と考えました。
よって試算結果は、通算勝率が.506でレーティングは1447あたりとなりました。
これは、2018年の対局相手でいうと、中田功七段(現八段)と浦野真彦八段のちょうど間くらいになります。
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