里見香奈が将棋プロ棋士と対戦!リアルタイム速報と対局結果はどうなった?

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里見香奈さんが快進撃を続けています。2018年には女流棋士タイ記録である将棋プロ棋士3連勝を飾ったのです。先日その連勝はストップしてしまいましたが、2019年度が始まり、対戦結果はどうなったのでしょうか? 見どころとリアルタイム速報をまとめました。

※最新情報は動画でまとめています (19/7/4更新)







里見香奈

女流棋士の第一人者

里見香奈さんはご存知の通り、女流棋士の第一人者です。

先日の女流王位戦では防衛に失敗してしまいましたが、依然として6つあるタイトルのうち4つを手にしています。

将棋を職業にしている女性のことを女流棋士といいますが、奨励会には、女性も入会していて、強い女性もいます。里見香奈さんや西山朋佳さんも含めた女流棋士・女性奨励会員の実力・強さランキングをまとめました。最強・トップは一体誰なのでしょうか?

https://shogipocket.com/kana-vs-mana/

奨励会

里見香奈さんは、女流棋士の活動を続けながら、奨励会にもチャレンジしました。

編入試験を受験し、1級で合格。

そして最終的には、将棋プロ棋士(四段)の一歩手前である三段まで到達しましたが、途中の体調不良による休場もあり年齢制限で2018年3月に退会されました。

藤井聡太五段や、里見香奈三段の挑戦で注目を集めている「三段リーグ」。プロ棋士四段になるための最後にして最高の難関は、一方で厳しい年齢制限もあり、無念の涙をのんだ人たちもたくさんいます。そんな「三段リーグ」の仕組みにフォーカスを当て、どうしたらプロ棋士四段になれるのか、どれくらい厳しいのかをまとめました。

女性初の三段ということもあってとても注目されていたのですが、残念な結果に終わってしまいました。

なお、里見香奈さんの後に三段へ到達された西山朋佳さんが、里見さんの夢を継いでいます。

https://shogipocket.com/challenge-of-nishiyama/




プロ編入試験の可能性

将棋プロ棋士になるという夢に、誰よりも強い気持ちを持っていた里見香奈さん。

https://shogipocket.com/satomi-and-future/

意向が注目されていましたが、「女流棋士と普及に専念する」というコメントが発表されました。

一方で、「将棋プロ棋士との対局」については、トップの女流棋士として引き続き認められています。

今後、「プロ編入試験」の受験資格を満たした時に、どのような意思決定をされるのかが注目されています。

ちなみにプロ編入試験は、以下の受験資格が規定されています。

現在のプロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士の希望者

出典:日本将棋連盟

なので当面は、可能な限り負け数を減らしながら「10勝」を目指します。

この要件を最短で目指すには「10勝3敗」が必要で、のこりを7連勝する必要があります。

ただ、男性プロ棋士相手に7連勝したら、ちょっとした事件になるので、いくつか負けるのが現実的でしょう。

そういう意味での現実的な最短ルートは「10勝5敗」でしょう。

現時点の成績は「3勝3敗」なので、必要な成績は「7勝2敗」です。

まぁ、男性プロ棋士が相手なので、簡単な数字ではありませんが(笑)。




里見香奈が将棋プロ棋士と対戦リアルタイム速報

女流棋士にも出場資格が認められている

将棋プロ棋士の公式戦は、女流棋士やアマチュアにも門戸が解放されているものがあります。

但し、全員に解放されているわけではなく、例えば女流棋士であれば成績優秀者が対象になります。

その点で言うと、女流タイトル戦6つのうち4つを併せ持つ里見香奈さんは、文句なしの成績優秀者なので、多くの公式戦で出場が認められています。

奨励会を退会されたことで、女流棋士として将棋プロ棋士との対局が再開される見込みになった時、羽生善治九段は以下のように「好成績を残す」と予言されています。

注目は、奨励会を退会して各棋戦の女流枠に再登場した里見香奈女流四冠。羽生善治九段は「男性棋士相手にも相当いい成績を残しますよ」と“予言”していた。

出典:毎日新聞




第1局の速報

加古川青流戦と呼ばれる、若手向けの将棋公式戦があります。

里見香奈さんはこの公式戦にも出場が認められていて、里見香奈さんの退会が決まった三段リーグで念願のプロ入り(=四段昇段)を叶えた池永天志四段と対戦しました。

将棋は里見香奈さん得意の相振り飛車になりましたが、右翼の防御を誤ってしまい、負けてしまいました。

第2局の速報

将棋8大タイトル戦の一つ「棋聖戦」には、女流棋士にも参加資格が認められています。

里見香奈さんは、村田六段と対戦し、勝利を収めました!

https://shogipocket.com/kana-kisei-match/

これによって、藤井聡太七段との対局が実現することになりました。




第3局と第4局の速報

18年3月に、年齢制限で奨励会を退会した後、将棋プロ棋士との公式戦をこれまで4局消化されています。

初戦に負けてしまったことでファンをやきもきさせましたが、その後になんと3連勝を飾っています。

https://shogipocket.com/kana-vs-shogi-professional/

対局後のインタビュー動画も公表されています。




第5局の速報(vs井出隼平四段)

対局は18年8月11日の午前10時スタートですが、振り駒の結果、里見香奈女流四冠の先手に決まりました。

初手から中飛車の構えを明らかにした里見香奈さんに対し、対戦相手の井出隼平四段は三間飛車の構えを採用し、相振り飛車の戦型が確定しました。

相振り飛車は近年トップ棋士の間でも採用される人気の戦型で、里見香奈さんも得意にしています。

相振り飛車は、どちらが先に自分の歩兵を持ち駒にできるかがポイントの一つですが、王将の守りを後回しにして左翼の整備を図った里見香奈さんが歩兵を持ち駒にできそうな構えを見せています。

金無双という陣形に構えた井出隼平四段に対し、里見香奈女流四冠は美濃囲いに構えます。

その後お互いに歩兵を持ち駒にし、その後の戦いに備えます。

里見陣の右翼に攻めの陣形を整備する井出隼平四段に対し、里見さんは左翼に攻撃のコマを集中させていきます。

もうすぐ、駒がぶつかりはじめて、戦いが始まるでしょう。

優勢ぎみに進めていた里見女流四冠でしたが、自陣へ馬(=角行の)をひきつけた手がよくなかったのか、井出隼平四段の攻めを受け切れませんでした。

これで8月24日を前にしたvs男性プロ棋士との対戦成績は、3勝2敗になりました(×○○○×)。




第6局速報(vs藤井聡太七段)

藤井聡太七段

羽生善治永世七冠の後を継ぐ者として、早くから注目を集めています。

【藤井聡太関連記事】

公式戦29連勝をはじめ、輝かしい戦績を誇っています。

あと足りないものはといえば、「タイトル獲得」だけでしょう。

「タイトル獲得」vs「将棋プロ棋士への挑戦」という、注目のキーワードがちりばめられた対局が、8月24日の「藤井聡太七段 vs 里見香奈女流四冠」というわけです。




速報

振り駒の結果、里見香奈さんの先手で決まりました。

持ち時間はそれぞれ1時間と短いので、初手からどんどん指し手が進んでいきます。

戦型は、里見香奈さんが得意とする中飛車に決まりました。

藤井聡太七段は、左右の銀将を中央へ繰り出し圧力をかけていきます。

陣形が整ったところで、里見香奈さんが中央の歩兵を伸ばして仕掛けます。

お互いに飛車を最下段へ落として、左右へ動きやすくしました。

藤井聡太七段は、右の金将を一段上げて、隙の少ない陣形を整備していきます。

里見香奈さんは、美濃囲いをさらに発展させるべく銀将を三段目へ上げましたが、この瞬間が金将と離れてしまうので、藤井聡太七段がどう動くか注目されます。

中央に歩兵を据えて勢力を確保したい藤井聡太七段に対し、中央を譲る代わりに右翼を盛り上げていきたい里見香奈さんという構図になりました。

右翼を整備して次に右翼へ拠点を確保する陣形と整えた里見香奈さんに対し、藤井聡太七段は予想外に左の銀将を下げました。

待っていると藤井陣がより賢固になっていくので動くのはここですが、里見香奈さんははたして動くのでしょうか?

ここはチャンスと見られていた局面で、里見香奈さんの動きが注目されていましたが、しばしの考慮の後、ついに中央から動き始めます。

中央でのドンパチの後、角行ではなく飛車で銀将交換を果たした里見香奈さんですが、その後藤井聡太七段はどのような動きを見せるのでしょうか?

一見すると意図を掴みにくい端歩の突き捨ての後、藤井聡太七段は里見陣へ襲い掛かります。

藤井陣の王将付近での折衝が思ったほど利いていなかったようで、藤井聡太七段の攻めゴマが里見香奈さんの陣地深くへ侵入していきます。

受ける余地が少なく、里見香奈さんは窮地へ追い込まれていきます。

受けきれない里見香奈さんは、攻撃に最後の望みを託しますが、放った角行まで捕獲されてしまいました。

もはや脈なしと判断し、里見香奈さんは投了しました。

これで里見香奈さんの将棋プロ棋士との対戦成績は、3勝3敗になりました。

対局後に藤井聡太七段は、以下のようにコメントされていて、不利になっていたことを認めています。

序盤、作戦がまとまらなかった。消費時間も不利になり、失敗した。中盤以降、立て直すことができた。序盤にうまく指された。中飛車を指し慣れているのが伝わってきた。

出典:産経新聞

一方の里見香奈さんも、大魚を逸してしまったことを認めています。

先手を生かした序盤戦にはできた。中終盤で間違えたのが悔やまれる。

出典:産経新聞

もったいないのは確かでしょうが、藤井聡太七段に対しても途中までいい戦いにできたのは収穫でしょう。

次回の対局に活かしてもらいたいですね。




第7局の速報(vs浦野真彦八段)

将棋8大タイトル戦の一つ「王座戦」にも、女流棋士向けの出場資格が認められています。

里見香奈さんは王座戦の予選で、18年8月27日(月)に浦野真彦八段の対戦することになりました(写真右上)。

浦野八段は、タイトル戦出場などの華々しい戦績はありませんが、順位戦B級2組所属経験や棋王戦ベスト4進出があります。

対局は里見香奈さんの先手で、午前10時から始まりました。

戦型は、お互いの角行を交換し合いながら先手が飛車を振る「角交換型振り飛車」になりました。

里見香奈さんは左翼の歩兵を伸ばして拠点を作った後、左から二筋目に飛車を据えて、美濃囲いに構えます。

一方の浦野八段は、里見陣の左翼に狙いを定めて歩兵を伸ばしていきます。

これまでの対局は持ち時間が短かったですが、今日の対局はお互いに持ち時間が5時間です。

お互いに陣形整備を続けますが、やや模様のいい里見香奈さんが、具体的な優勢までどのように持っていくかが注目されています。

中央に拠点を築きたい里見香奈さんは、中央から左翼付近に銀将と角行を据えます。

黙っていては悪くなる浦野八段は、里見陣の左翼に攻撃を仕掛けます。

折衝がひと段落ついた後、浦野八段は里見陣の右端の列に狙いを定めて攻撃を仕掛けます。

まともに食らったら劣勢になる里見香奈さんは、端の優勢を相手に譲る見返りに局面を落ち着かせました。

その後、徹底防戦に戦略を切り替えた浦野八段に対し里見香奈さんは、左翼で具体的優位を築きにかかります。

浦野八段が徹底した防御姿勢を取る中、里見香奈さんは徐々に優勢を築き始めます。

持ち時間は浦野八段が1時間以上多く使っていたので、徐々に時間が切迫していきます。

時間に加えて駒不足にもなっていた浦野八段は、里見香奈さんの王将へ襲いかかりますが、防御を図りつつ攻撃を緩めなかった里見香奈さんが、最後は浦野八段の王将を討ち取りました




第8局の速報(vs矢倉規広七段)

対局は9月7日の午前10時に里見香奈さんの先手で始まりました。

矢倉規広七段は現在順位戦はC級2組に所属していて、1999年度には王位戦の挑戦者決定戦プレーオフまで進出されています。

矢倉規広七段の通算成績は、411勝361敗(勝率.532)で、今年度の成績は5勝6敗(勝率.455)です。

対局は、里見香奈さんが中央へ飛車を据えた後、左右の銀将を中央付近へ集めるという見慣れない戦型を採用します。

一方の矢倉七段は飛車を左から二列目に据えた後に、美濃囲いの戦型を採用します。

矢倉七段は、里見香奈さんの右翼の桂馬へ攻撃を仕掛けていきます。

歩兵を持ち駒に変えた後、矢倉七段は銀将を里見香奈さんの王将付近へ派遣し、歩兵の捕獲を狙います。

一方の里見香奈さんは、右翼の桂馬を跳ねて矢倉七段の角行へ狙いを定めます。

里見香奈さんがやや苦しい展開なので、矢倉七段は自陣に隙をつくらずに、駒得を拡大する戦術を採用します。

そのままではじわりじわりと苦しくなっていく里見香奈さんは、銀将を差し出す見返りに、飛車を敵陣へ成り込みます。

駒得を果たした矢倉七段は、里見香奈さんの王将の真上まで進出した銀将を拠点に、里見香奈さんの王将へ圧力をかけていきます。

最後は、王手が続かなかった里見香奈さんが投了し、矢倉七段の勝利となりました。




第9局の速報(vs中田功七段)

中田功七段は、特に目立った実績はないものの、名人戦3連覇中の佐藤天彦名人の師匠として知られています。

https://twitter.com/HIromiPDG/status/1048589223815598080

戦法は、三間飛車を得意とされているので、おそらく里見香奈さんとの対局は相振り飛車になるのではと見られていましたが、居飛車を選択しました。

相手の攻撃陣を封じ込める、「押さえ込み」という指し方を採用しました。

一方の中田功七段は、振り飛車の常套手段である美濃囲いに構え、強い戦いにも対応できる陣形を整備しました。

中田功七段が防御気味のスタンスを採用したことを受け、里見香奈さんは中田陣の左翼から動きます。

その後、飛車を差し出して里見陣の右翼と左翼から挟撃体制を作る中田七段に対し、里見香奈さんは、中田七段の王将を詰ましにかかります。

最終的には、中田七段の読みが上回っていたようで、中田七段の王将は詰まず、中田七段の勝利となりました。

対局後、中田七段は形勢が混迷していたことを認めています。

「序盤、端で香車の交換になってペースを握れたかなと思ったんですけど。(54手目)△5五桂に対する応接が、やりすぎでしたね。飛車を取らせない変化に(すべきでした)。本譜は最後、終盤、どっちが勝っているか分からないことになっていると思います。どんどん、自信が無くなってきている局面がありました。終盤、分からなかったです」と語った。

出典:朝日新聞

一方の里見香奈さんも、攻め急いでしまったことを暗に認めています。

「序盤のあたりでだいぶ苦しくなって、終盤はちょっと難しかったんですけど、もうちょっと、ゆっくり(指した方が良かった)。実力不足なので、また勉強して頑張りたいと思います」と話した。

出典:朝日新聞

対局後のインタビュー映像




第10局の速報(vs島本亮五段)

対局相手の島本五段は2003年4月にプロ入り(=四段)したプロ棋士で、棋士のランクを決める順位戦はC級2組に所属しています。

目立った実績はありませんが、キャリアの通算成績は179勝238敗(勝率.420)で、2018年度は6勝7敗(勝率.462)です。

対局は10時に始まり、先手は島本五段に決まりました。

戦型は、大方の予想通りに後手里見香奈さんのゴキゲン中飛車になりました。

持ち時間が双方5時間なので、決着は夜遅くになると思われます。

里見香奈さんは、島本五段が左翼から攻撃拠点を作ろうとする姿勢に対し、中央から動きます。

ポイントを稼いだ後、角行交換を挑み、銀将を戦線へ繰り出します。

銀将と角行を中央付近に据えて、島本陣の右翼へ狙いを定めます。

島本五段は飛車を中段へ上げて、里見香奈さんの抑え込みを防ぎにかかります。

一方の里見香奈さんは、銀将を前進させながら金将も守りに働かせ、優位を拡大すべく動きます。

左の桂馬を跳ねた島本五段に対し、その桂馬へ狙いを定めて里見香奈さんは動きます。

劣勢を意識した島本五段は、里見香奈さんの攻撃の要である角行の頭へ圧力をかけていきます。

金将を上がって角行を守った里見香奈さんに対して島本五段は、角行を打ち込み、里見香奈さんの飛車取りを狙います。

その手を緩手と見た里見香奈さんは、銀将を島本五段の王将付近へ進出させて、さらに圧力を加えていきます。

島本五段の王将付近に拠点を作ることに成功した里見香奈さんは、怒涛の攻撃を始めます。

最後は、桂馬で島本五段の動きを封じた里見香奈さんが島本五段に勝利しました。




第11局の速報(vs脇謙二八段)

テレビ公式戦である「銀河戦」で、対局が行われました。

脇謙二八段は、目立った顕著な実績はありませんが、キャリア通算成績は633勝663敗(勝率.488)で、2018年度の成績は3勝9敗(勝率.250)です。

先手になった里見香奈さんは、向かい飛車を採用しさっそく向かい飛車に構えます。

左翼で先端が開かれ、脇謙二八段が飛車を里見陣に成り込むことに成功します。

そのままでは不利になるので里見香奈さんは飛車をぶつけて、竜との交換を迫ります。

その後、互いに飛車を敵陣へ据えることに成功し、里見香奈さんは自陣へ竜を引きつけて、徹底防戦の方針を取ります。

脇謙二八段は、捕獲した角行を含む2枚の角行で里見香奈さんの陣地を睨み、折衝が続きました。

駒得の脇謙二八段が徐々に優勢を拡大し、勝利しました。




第12局の速報(vs長沼洋七段)

王座戦の予選で、の対戦相手は長沼七段。

顕著な成績は残されていませんが、2007年のNHK杯では、羽生善治二冠(当時)に勝利するなど、キラリと光る戦績もあります。

「駒取り坊主」というニックネームがある通り、とことん駒得を重視するスタイルです。

持ち時間は双方5時間なので、結果が判明するのは夜になると思います。

振り駒の結果、先手は長沼七段に決まりました。

里見香奈さんは、早速お得意のゴキゲン中飛車を選択します。

長沼七段がじっくりした構えを見せるので、里見香奈さんは早速中央から動きます。

早速激しい展開となり、角行と銀将の駒損交換を里見香奈さんは選択したところで、昼食休憩になりました。

昼食休憩後も里見香奈さんは駒損覚悟で攻め続けます。

一方の長沼七段も、駒得はしたもののクリーンヒットはなかなか打つことはできず、王将自ら出陣して防御にかかります。

なんとか長沼七段の王将を下段へ落としたい里見香奈さんに対して、駒得が活きる展開へ持ち込みたい長沼七段。

飛車を手に入れると分かりやすくなる里見香奈さんは、長沼七段の王将を長沼陣へ追い返した後に、飛車の捕獲へと向かいます。

結局、飛車の捕獲を果たした里見香奈さんに対し、戦意を喪失した長沼七段は負けを認めました。

第13局の結果(vs増田裕司六段)

勝ち上がっている王座戦で3回目の対局です。

先の対局と同じく5時間の長丁場なので、決着するのは夜になると思います。

対局は10時にはじまりますが、先手は振り駒の結果増田裕司六段に決まりました。

居飛車を洗濯した増田六段に対し里見香奈さんは、角行を3三へ上がり、早くも振り飛車模様を匂わせています。

おそらく中飛車を採用するものと思われましたが、本局は向かい飛車を採用しました。

その後、王将を右翼へ移動させて美濃囲いを目指す里見香奈さんに対し、増田六段は銀冠の構えを目指します。

美濃囲いを完成させた里見香奈さんは、その後右翼の桂馬を跳ねて、間接的に増田六段の陣形へ牽制をかけます。

3、4筋から攻勢を匂わせる増田六段に対し、里見香奈さんは左翼の角頭を防御しつつ美濃囲いのさらなる発展を目指します。

増田六段が陣形整備と角行を右翼へ組み替える間に、中央の折衝でポイントをゲットした里見香奈さんは、左翼へ狙いを定めます。

4五の地点で戦端が開かれ、里見香奈さんは援軍の桂馬を端へ待機させます。

その後、同じく4筋へ回ってきていた増田六段の飛車の頭を歩兵で叩いて、増田六段の対応を伺います。

対する増田六段は飛車を左翼へ逃がします。

追撃で桂馬を跳ねた里見香奈さんに対し、角行を里見香奈さんの王将の筋から外さないように逃げます。

ジリジリ押さえ込まれてはいけない増田六段は、ついに中央にも戦線を拡大します。

中央で駒のやりとりが続きますが、控え室のプロの評価は今ひとつ。

そこで夕食休憩になりました。

再開後バタバタとすすみ、里見香奈さんの陣地の急所付近で戦闘が始まりました。

自陣が弱体化する銀将の打ち込みを受けた里見香奈さんはなんと、打ち込みを無視してタダの銀捨てを敢行しました!

しばらく長考した増田六段は、飛車を下段へ落として里見香奈さんの出方を見守ります。

局面はどんどん激しくなっていきます。

打ち込んできた銀将の捕獲を狙う増田六段に対し、タダで取られてはかなわない里見香奈さんは左端から増田陣へ殺到します。

優劣がつき始める局面ですが、はたしてリードしているのはどちらか?

局面がバタバタと進み、互いに銀将を捕獲しました。

その後も、歩兵で増田陣へ嫌味をつけにいく里見香奈さん。

増田六段の陣形を凝り形にした後、銀将に飛車を当てて、詰めろを見越した手を放ちます。

控え室のプロたちのコメントでは、その後の折衝でやや損をした里見香奈さん。

お互いに残り時間が少なくなる中で、やや増田六段の方が読み勝っていたようです。

徐々に里見香奈さんが追い込まれていきます。

受けが難しくなった里見香奈さんは、投了を告げました。

第14局の結果(vs島本亮五段)

羽生竜王と広瀬八段の七番勝負が進行中ですが、翌期の予選はもう始まっています。

里見香奈さんも竜王戦の出場権を手にしていて、予選の相手は島本五段です。

振り駒の結果、里見香奈さんの先手に決まったので、里見香奈さんはさっそく三間飛車に構えた後、角交換型振り飛車を選択します。

美濃囲いの堅城へ入城した里見香奈さんは、4筋の歩兵を持ち駒にしてポイントを稼ぎます。

その後飛車を6筋へ展開するという、大胆な構想を実行します。

放置すると、8筋が突破されるので、大胆な手です。

島本五段は、桂馬が3筋に展開しているので、端から戦端を開きます。

対する里見香奈さんは、8筋からの攻撃を緩和させるべく角行を放って、島本五段の陣地へ牽制球を投げます。

端に歩兵を垂らされた里見香奈さんですが、その手を無視して6筋へ攻撃を始めます。

里見香奈さんの総攻撃に備えるため、島本五段は4四の地点に角行を据えて、里見陣を牽制します。

その角行めがけて攻撃を仕掛ける里見香奈さんに対して、島本五段は飛車と角行の交換を強要します。

その手に乗ると損をする里見香奈さんは、飛車に目もくれずに角行の捕獲に成功します。

その後、桂馬交換を果たして駒を補充した里見香奈さんに対し、島本五段は歩兵で攻撃の拠点づくりを進めます。

その後島本五段は、端からの攻めを続けます。

このまま相手しているとジリ貧になる里見香奈さんは、角行を敵陣へ投入して活路を求めます。

夕食休憩終了後、島本五段は挟撃の網をじわじわと締め上げていきます。

簡単には負けないぞとばかりに、里見香奈さんは頑強な抵抗を続けます。

徐々に追い込まれていった里見香奈さんは、投了を告げました。




第15局の結果(vs藤原直哉七段)

渡辺明棋王と広瀬章人竜王の間で争われている五番勝負の陰で、翌期の予選がすでに始まっています。

女流将棋界の第一人者である里見香奈さんは、棋王戦の予選1回戦で藤原直哉七段と対戦しました。

戦法は、里見香奈さんの最大の武器である「ゴキゲン中飛車」でした。

中央へ銀将を二枚繰り出す先手の藤原七段に対し、里見香奈さんは美濃囲いの堅陣で迎え撃ちます。

藤原七段の右の桂馬と里見香奈さんの左の桂馬の交換の後、里見香奈さんは飛車を敵陣へ成り込む代償として、端からの攻めを受けることになります。

端から攻撃のコマを殺到させる藤原七段に対し、王将を左翼へ逃しながら反撃の機会を伺う里見香奈さん。

最終的に攻撃を凌ぎきり、反撃へ転じた里見香奈さんが勝利をおさめました。

第16局(vs大橋貴洸四段戦)

新人王戦で大橋貴洸四段と対戦することになりました。

大橋四段は、キャリア通算勝率.720を誇る若手強豪棋士で、藤井聡太七段がいなければもっと有名になっていた方です。

先手の里見香奈女流四冠は得意の中飛車に構え、対する大橋四段は超速の陣形に構えます。

中盤の折衝で失点してしまい、そのまま押し切られてしまいました。

第17局 (vs 出口若武四段戦)

出口若武四段は、19年3月に四段昇段を決めたばかりの将棋プロ棋士です。

プロ編入試験に合格すると、試験官は直近にプロになった四段の方々です。

つまり、出口四段に勝てるかどうかでプロ編入試験に挑んだ時の結果を推測する根拠の一つになるので、里見香奈さん的には、重要な対局でした。

https://shogipocket.com/deguchi-result-and-future/

お二人とも関西所属なので、対局は関西将棋会館で5月24日に行われました。

対局は、先手の里見香奈さんが三間飛車に構えてスタートしました。

対する出口四段は、角道を開けたまま、居飛車穴熊を採用するという趣向をこらします。

駒組みが煮詰まったところで、6筋から戦闘が始まりました。

共に竜をつくりあう&桂馬を取る展開になりましたが、敵陣に止まり続けている里見香奈さんの竜に対し、出口四段の竜は中段に浮くことになります。

その後、2-4筋で戦闘が始まり、大駒を捨てる強攻に出た里見香奈さんは、穴熊の金駒を剥がすことに成功します。

最後は出口四段の猛攻をしのぎ切って、敵玉を打ち取った里見香奈さんが勝利を収めました。

第18局 (vs浦野真彦八段戦)

6月3日に更新予定です。




結果速報

今回の敗戦で、里見香奈さんのvs男性将棋プロ棋士との対戦成績は7勝8敗となりました。

ちなみに、プロ編入試験の要件は以下のとおりです。

現在のプロ公式戦において、最も良いところから見て10勝以上、なおかつ6割5分以上の成績を収めたアマチュア・女流棋士の希望者

出典:日本将棋連盟







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