先手番が有利とされるプロ棋士の将棋で、後手番にどんな戦法を採用するかは工夫が求められます。今回は、2018年度の藤井聡太と豊島将之名人(三冠)の後手番の戦法と勝率を比較しました。
藤井聡太と豊島将之名人(三冠)の後手番戦法と勝率比較2018
【藤井聡太と豊島将之の後手番採用戦法を比較@2018】
✅藤井聡太
角換わり (28.5%)
矢倉 (28.5%)
対振り飛車居飛車 (25.8%)
相掛かり (17.1%)✅豊島将之
角換わり (44.8%)
相掛かり (20.7%)
対振り飛車居飛車 (20.7%) pic.twitter.com/4votbbEL8J— 将棋ポケット@将棋ブログ (@shogipocket) 2019年6月5日
戦法
ともに居飛車党な上に時代の潮流もあって、「角換わり」が上位になっています。
ただし、その採用度には大きな差異があるのが、非常に興味深いです。
藤井聡太 | 豊島将之 | |
1位 | 角換わり
(28.5%) |
角換わり
(44.8%) |
2位 | 矢倉
(28.5%) |
相掛かり
(20.7%) |
3位 | 対振り飛車居飛車
(25.8%) |
対振り飛車居飛車
(20.7%) |
4位 | 相掛かり
(17.1%) |
– |
ともに角換わりを得意にされつつも、様々な居飛車戦法を満遍なく採用する藤井聡太七段に対し、角換わり戦法の採用率が高い豊島将之名人の姿勢があらわれています。
勝率
採用している戦法は似通っている感じがありますが、勝率には差ができています。
藤井聡太 | 豊島将之 | |
1位 | 角換わり
(.900) |
角換わり
(.462) |
2位 | 矢倉
(.800) |
相掛かり
(.500) |
3位 | 対振り飛車居飛車
(.667) |
対振り飛車居飛車
(.333) |
4位 | 相掛かり
(1.000) |
– |
もっとも、藤井聡太七段が多く対戦している相手と、すでにトッププロとの対局が主である豊島将之名人との単純な比較はフェアではありません。
その点は割り引いて考える必要があります。
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