藤井聡太七段が新人王戦で優勝しました!将棋プロ棋士の年収・収入が気になりますが、年収はトップクラスの賞金を除き公表されていません。でもファンとしては、サラリーマンに比べて将棋プロ1年目・新人の年収が高いのか知りたいところです。そこで今回は、将棋プロ新人の年収(賞金+対局料)がいくらなのか、段位別の給料とともに試算してみました。
目次
将棋プロ棋士の対局料
原則公表されていない
年収=対局料+賞金
将棋プロの主な収入源は、対局の都度もらえる「対局料」と、優勝したらもらえる「賞金」からなります。
一部の将棋プロは、本を書いたり、テレビに出演したりして収入を得ているでしょうが、ごく一握りと見ていいでしょう。
対局料は、ごくごく一部を除き非公開なので、外部からは推測するよりありません。
公開されている対局料は?
「将棋界最高の賞金」を売りにしている竜王戦の「決勝トーナメント」は、対局料が公開されています。
以下は、昨年開催されていた第30期の竜王戦決勝トーナメントのトーナメント表です。
出典:日本将棋連盟
例えば、一番左端にある松尾八段の場合、久保王将と対局していますが、勝っても負けても195万円の対局料を受け取ることができます。
将棋プロ棋士の賞金
賞金も、竜王戦の優勝賞金(4,320万円)を除いて、公表はされていません。
しかし、賞金ランキングは毎年公表されているので、将棋トッププロの成績の変動具合などを使って、推測することができます。
以下が、一般的に言われている将棋タイトル戦の賞金です。
タイトル | 金額 |
竜王 | 4,320万円 |
名人 | 3,500万円 |
叡王 | 2,000万円 |
王位 | 1,000万円 |
王座 | 800万円 |
棋王 | 600万円 |
王将 | 300万円 |
棋聖 | 300万円 |
勝負の世界なので当然でしょうが、一度タイトルを獲ると、名誉も高額なお金も手に入るという仕組みになっています。
それにしても、竜王・名人・叡王の賞金の高さに、改めて驚いてしまいます。
賞金+対局料ランキングも公表されている
ここ10年間、賞金と対局料合計のランキングも、トップ10に限り公表されています。
1年目(新人)の対局料はいくらか試算!
竜王戦決勝トーナメントの対局料を元に試算
竜王戦の決勝トーナメントでは、すべての対局者の対局料が公開されています。
もっとも、「決勝トーナメント」なので、「ランキング戦」(=他のタイトル戦の予選に相当)を勝ち上がってきたツワモノだけが戦う場です。
「勝ち抜いてきた人たちへのご褒美」と竜王戦という二重の背景もあって対局料は、通常の対局に比べて割高になっていることは、容易に想像できます。
また、名人が毎月もらえる「名人手当」の金額が100万円/月という報道もあります。
賞金+対局料トップ10の金額も参考になります。
将棋プロ棋士の対局が月給制というのは考えにくいので、対局数に応じて年収は上下すると考えるのが自然です。
トップ10の大半はタイトルホルダーとA級棋士が占めていますが、たまにB級1組以下の棋士がトップ10入りすることもあります。
タイトルを獲得するからです。
前年の賞金+対局料も公開されるので、その数値も参考になります。
将棋段位別の給料
以上の考え方をもとに、通常の対局の対局料(1局あたり)を以下のように推測してみました。
順位戦 | 対局料 |
名人 | 70万円 |
A級 | 40万円 |
B級1組 | 30万円 |
B級2組 | 22万円 |
C級1組 | 18万円 |
C級2組 | 10万円 |
以下の要件を満たす棋士の年収と対局数から、上記の数値を試算しました。
- タイトル戦に挑戦されていない
- 竜王戦でランキング戦優勝をしていない
- 翌年度にタイトルを獲得(orタイトル挑戦)
2017年度の高見泰地叡王(当時六段)の年収は522万円ですが、対局数は50局を消化されています。
C級2組に所属されているので、1局あたり10万円で計算すると、522万円とほぼ整合します。
1年目(新人)の対局数は?
過去3年間にデビューした将棋プロと、その対局数をまとめてみました。
活躍度は人それぞれなので、対局数にバラツキがあることがよくわかります。
デビュー | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | |
今泉健司 | 2015年4月 | 22 | 36 | 31 |
青嶋未来 | 2015年4月 | 37 | 56 | 37 |
梶浦宏孝 | 2015年4月 | 36 | 41 | 35 |
高野智史 | 2015年10月 | 7 | 38 | 41 |
近藤誠也 | 2015年10月 | 12 | 60 | 50 |
都成竜馬 | 2016年4月 | 3 | 42 | 43 |
井出隼平 | 2016年4月 | 1 | 34 | 45 |
佐々木大地 | 2016年4月 | 2 | 35 | 56 |
藤井聡太 | 2016年10月 | – | 10 | 73 |
大橋貴洸 | 2016年10月 | 11 | 6 | 58 |
西田拓也 | 2017年4月 | 2 | 4 | 40 |
杉本和陽 | 2017年4月 | 4 | – | 40 |
齋藤明日斗 | 2017年10月 | – | – | 6 |
古森悠太 | 2017年10月 | – | – | 9 |
※各年度とも4人のうち下2名の対局数が少ないのは、10月にデビューするため
※デビュー前に対局があるのは、新人王戦のため
三段リーグが年に2回ある関係で、デビューするタイミングにばらつきがあります。
そこで12ヶ月対局した年をデビュー初年度とみなして対局数を平均すると、43局になります。
試算結果
藤井聡太六段のように、デビュー早々に竜王戦決勝トーナメントへ進出するケースもありますが、レアケースでしょう。
そこで、「竜王戦決勝トーナメントに進出しない&タイトル獲得なし&昇段なし」の前提で試算すると、年収は以下のとおりです。
43局×10万円=430万円
藤井聡太の年収は?
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