「将棋のタイトルホルダーの年収はいくらか?」 最近は、将棋が注目を浴びているので、人の財布の話であっても気になります。そこで、公開されている情報を元に、賞金と対局料(給料)を使って試算してみました。
※あくまで「試算」である点、含みおきください
将棋タイトル戦の賞金は?
竜王戦以外は非公開
「将棋界最高の賞金」を歌っている竜王戦のみ、賞金が公開されています。
金額は4,320万円です。
もちろん、挑戦者になって七番勝負に勝つことは、とてつもなく難しいことですが、それにしても凄い金額です。
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名人戦
非公開なのですが、将棋関係者のブログや将棋関係の雑誌から、正確な金額はわからないものの、推測することができます。
竜王戦のように〇〇円とサクッと計算できるわけではなく、以下のような計算をするそうです。
- 賞金:1,200万円
- 名人戦の対局料:@150万円(七番勝負なので、最低でも4局)
- 名人手当:1,200万円(順位戦がないため、100万円/月)
つまり、フルセット第7局で防衛したら約3,450万円で、以下のような計算になります。
- 賞金:1,200万円
- 対局料:1,050万円(=150万円×7局)
- 名人手当:1,200万円
「名人手当」がわかりにくいかもしれませんが、名人以外の将棋プロはみんな、「順位戦」という「格を決める&名人挑戦者を決める」対局をほぼ毎月やっています。
名人は順位戦を戦わないので、その分の埋め合わせとして手当がもらえるという仕組みです。
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叡王戦
今日から七番勝負の第1局が始まっていますが、賞金は非公表です。
ただ、毎年公表される賞金ランキングを見ると、おおよそ2,000万円と想定されます。
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棋聖戦
五番勝負で争われるタイトル戦で賞金は非公表ですが、1,000万円と言われています。
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王位戦
七番勝負で争われるタイトル戦で賞金は非公表ですが、800万円と言われています。
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王座戦
五番勝負で争われるタイトル戦で、同じく賞金は非公表ですが、500万円と言われています。
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棋王戦
五番勝負で争われるタイトル戦で、賞金は非公表であるものの500万円と言われています。
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王将戦
七番勝負で争われるタイトル戦で、賞金は同じく非公表ですが、500万円と言われています。
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将棋プロの対局料は?
給料の試算の仕方
唯一公表されている竜王戦の決勝トーナメントの対局料を元に試算していましたが、以下の情報を耳にしたので、試算を少し修正しました。
- 名人の月額100万円がA級の将棋プロよりも5-6割高いらしい
- 段位よりも順位戦のクラスの方が、対局料に連動している可能性が高い
所属クラス | 段位 | 推定対局料 |
A級 | 九段 | 80万円 |
A級 | 八段 | 75万円 |
B級1組 | 主に七段 | 70万円 |
B級2組 | 主に六段 | 50万円 |
C級1組 | 主に五段 | 35万円 |
C級2組 | 主に四段 | 30万円 |
なお、試算の根拠は以下の関連記事の数字を、A級将棋プロの対局料と整合するように微調整しています。
【関連記事】
将棋プロ1年目・新人の年収(賞金+対局料)はいくらか試算してみた!
タイトルホルダーの年収はいくら?
羽生善治竜王・棋聖
賞金
タイトルは竜王と棋聖なので、それぞれ4,320万円と1,000万円です。
よって賞金は、5,320万円です。
対局料
金額から先に言うと、4,165万円です。
<計算根拠>
- 竜王戦(決勝トーナメントは対局料公開)735万円 : 120万円+165万円+450万円
- それ以外3,430万円 : 70万円×(54局 – 5局)
年収
賞金5,320万円+対局料4,165万円で9,485万円です。
佐藤天彦名人・叡王
賞金
名人と叡王(非タイトル戦)を獲得されているので、5,300万円です。
まず名人戦ですが、6局戦って名人を防衛されたので、3,300万円になります。
<計算根拠>
- 賞金:1,200万円
- 対局料:900万円(=150万円×6局)
- 名人手当:1,200万円
叡王戦の賞金は2,000万円です。
対局料
35局消化されていますが、そのうち名人戦が6局含まれているので、2,930万円になります。
<計算根拠>
名人戦900万円
その他2,030万円=70万円×(35局-6局)
年収
賞金が5,300万円で対局料が2,930万円なので、8,230万円になります。
菅井竜也王位
賞金
王位獲得で800万円です。
対局料
48局消化されていて、順位戦はB級1組所属です。
よって、2,400万円です(48局×50万円)。
年収
賞金が800万円で対局料が2,400万円なので、3,200万円です。
中村太地王座
賞金
王座獲得で500万円です。
対局料
35局消化されていて、順位戦はB級2組所属なので、1,400万円です(35局×40万円)。
年収
賞金が500万円で対局料が1,400万円なので、1,900万円です。
渡辺明棋王
賞金
タイトルは棋王の500万円ですが、竜王戦の防衛(失敗)を戦われたので、1,620万円も加味されて、2,120万円です。
対局料
48局消化されていて順位戦はA級所属なので、3,360万円です(48局×70万円)。
年収
賞金が2,120万円で対局料が3,360万円なので、5,480万円です。
久保利明王将
賞金
王将戦の500万円です。
対局料
40局消化され、順位戦はA級所属です。
これに加えて、対局料が公開されている竜王戦決勝トーナメントを2局戦われているので、2,945万円です。
<計算根拠>
竜王戦285万円:120万円+165万円
その他2,660万円:(40局-2局)×70万円
年収
賞金が500万円で対局料が2,945万円なので、3,445万円です。
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