将棋界で最も歴史があり、竜王戦と並んで格式の高いタイトル戦「名人戦」。優勝賞金や対局料はいくらなんでしょうか? 名人はいくらか気になるので、将棋プロ棋士の将棋順位戦の対局料と合わせて、年収がいくらになるか試算してみました。
当記事の金額は、いずれも試算であることを含みおき下さい。
目次
名人戦
A級順位戦
将棋の世界には、将棋プロの格を決める順位戦という5つのリーグ戦があります。
このうち最上位のA級には、10人の将棋トッププロが所属し、リーグ戦の成績が最も良かったプロが、名人戦の挑戦者になります。
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名人は順位戦に参加しない
名人は、順位戦に参加しません。
そうすると、年間9局対局が少なくなってしまい、損してしまいます。
名人になって損をするのはおかしいので、A級プロと対局数を調整するために毎月100万円の名人手当があります。
優勝賞金と対局料
詳しくは以下の通りですが、名人になると約3,450万円が受け取れます。
賞金
賞金は公開されていませんが、関連する報道・記事などを元にすると以下のような構成になっています。
賞金
名人戦に勝利したらもらえるのは1,200万円です。
少なく感じるかと思いますが、以下のお金ももらえるので、合計すると高額になります。
名人手当
名人を除くトッププロは、A級順位戦(9局)を戦います。
一方の名人はA級順位戦を戦わないので、名人になったら対局料を損してしまいます。
この矛盾を解消するために、毎月100万円の合計1,200万円を「名人手当」として受け取ります。
対局料
1局あたり150万円とされています。
決着が仮に第7局までもつれ込めば、1,050万円になります。
将棋プロ棋士の順位戦の対局料は?
将棋プロ棋士の対局料は、公表されていませんが推算は可能です。
以下のリンクの「将棋プロの対局料は?」で、詳細をまとめています。
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年収がいくらになるか試算!
過去5年間の名人の対局数は?
名人が他のタイトル戦でどのような活躍をしたかにもよりますが、おおよその金額を知るために、過去5年間の名人の状況をまとめました。
年度 | 名人 | 名人戦対局数 | 年間対局数※ | タイトル戦 | タイトル戦敗退 |
2018年 | 佐藤天彦 | 6 | 42 | – | – |
2017年 | 佐藤天彦 | 6 | 35 | 叡王 | – |
2016年 | 佐藤天彦 | 5 | 46 | – | – |
2015年 | 羽生善治 | 5 | 47 | 王位・王座・棋聖 | 王将 |
2014年 | 羽生善治 | 4 | 55 | 王位・王座・棋聖 | 棋王 |
※名人戦を含む
試算では、前述の関連記事で使った方法をベースに行なっています。
名人の年収は?
直近5年間の名人の年収を調べましたが、やはり超トッププロなので、少なくとも6,000万円以上は稼いでいることがわかります。
佐藤天彦名人(2018年度)
名人戦に出場され、6局で防衛されています。
そのほかには銀河戦で優勝されていて、賞金は250万円といわれています。
賞金
名人戦 | 銀河戦 | 合計 |
2,400万円※ | 250万円 | 2,650万円 |
※名人戦賞金+名人手当
対局料
名人戦 | その他 | 合計 |
900万円 | ※2,520万円 | 3,420万円 |
※36局×70万円
以上より、6,070万円となりました。
2018年(1/1-12/31)の実績は5,999万円なので、日本将棋連盟が公表している金額とほぼ整合しています。
佐藤天彦名人(2017年度)
名人戦と、非タイトル戦の叡王戦に出場され、名人戦は防衛、叡王戦は優勝という結果でした。
賞金
名人戦 | 叡王戦 | 合計 |
2,400万円※ | 2,000万円 | 4,200万円 |
※名人戦賞金+名人手当
対局料
名人戦 | その他 | 合計 |
900万円 | ※2,030万円 | 2,930万円 |
※29局×70万円
以上より7,130万円になりました。
この金額は「2017年度(4/1-3/31)」のものですが、将棋連盟が公表している2017年(1/1-12/31)の金額は7,255万円でした。
試算金額とほぼ整合しています。
佐藤天彦名人(2016年度)
名人戦に出場され、奪取となりました。
賞金
名人戦 |
2,400万円※ |
※名人戦賞金+名人手当
対局料
名人戦 | その他 | 合計 |
750万円 | 2,870万円 | 3,620万円 |
※41局×70万円
以上より6,020万円になりました。
この金額は「2016年度(4/1-3/31)」のものですが、将棋連盟が公表している2017年(1/1-12/31)の金額は5,722万円でした。
試算金額との誤差は、年度の途中で名人になったことで、対局料がかわったためと思われます。
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