竜王戦で羽生善治竜王が広瀬章人八段に負けて防衛ならず、無冠に!1991年から1つ以上のタイトルを持ち続けて来た羽生さんですが、27年で連続獲得記録がストップしました。呼び名(呼び方・肩書き・呼称)は、九段・十九世名人・永世七冠かどうなるのでしょうか?引退の可能性も含めまとめました。
目次
羽生善治が負けてついに無冠
将棋の世界では、タイトルを持っている人はタイトルで、タイトルを持っていない人は段位で呼ばれます。
タイトルを持っている人だと例えば佐藤天彦名人ですし、複数持っていると豊島将之二冠とかです。
タイトルを持っていない人だと、広瀬章人八段です。
羽生善治竜王は、1991年に棋王を獲得して以来、常にタイトルを持ち続けて来ました。
特にピークでは7つを独占したり。
近年は若手が徐々にタイトル戦線で活躍し始めたこともあって、2017年にタイトルを立て続けに2つ(王位・王座)を失い、2018年には名人奪取ならず、棋聖失冠とタイトル数を減らしていきました。
2017年末に竜王を獲得して永世七冠を達成したので、タイトルは1つ以上確保してきました。
ところが、ここ1年近く絶好調を続ける広瀬章人八段を挑戦者に迎えた竜王戦七番勝負では、フルセットまでもつれ込んだものの、3勝4敗で防衛ならず、ついに記録がストップすることになりました。
27年も続けてきた大記録が、ついに止まったという歴史的な瞬間です。
肩書・呼び方は?
羽生善治さんのタイトル獲得数は99期で、2位の大山康晴十五世名人の80期を軽くしのぐ、将棋界で最大の功労者です。
タイトルを全て失った今、どんな肩書きで呼ばれるのでしょうか?
十九世名人
名人を通算5期獲得した人は、原則引退すると「○世名人」と呼ばれます。
生前にこの名前で呼ばれた人は、近年だと大山康晴十五世名人、中原誠永世十段(十六世名人)です。
現在この資格を持っているのは現役だと3名(谷川浩司、森内俊之、羽生善治)ですが、これを機に、十九世名人と呼ばれる可能性はあります。
ただ、タイトルを獲りまくった史上空前のすごい人っていう「凄さ」がほんの少しぼやける感はなくはありません。
永世七冠
羽生善治さんだけが達成した、7つのタイトルの永世称号を全て獲得するという偉業。
羽生さんの凄さを讃える肩書きとしては、一番しっくり来るのではないかと思います。
九段
タイトルを持っていない者というけじめを重視するなら、九段です。
肩書きを重視する人もいれば、中途半端に呼ばれたくないという棋士もいます。
個人的には、羽生善治さんは「九段」を選ぶのではないかと思います。
ただ日本将棋連盟は単純に「九段」とは呼ばせたくないでしょうから、「永世七冠」になるのではと考えます。
ご本人の意向が尊重されたようで、羽生善治九段に決まりました。
日本将棋連盟の佐藤康光会長と羽生九段が協議し、本人の意向を踏まえて九段を名乗ることを確認した。佐藤会長は「羽生さんが前竜王ではなく、九段を肩書としたのは、まだ第一線で戦う前向きな意志と捉えています。実際、挑戦権に近い位置にいる棋戦もあります」と話した羽生九段が段位を名乗るのは1989年12月の第2期竜王戦七番勝負挑戦時の「六段」以来となる。羽生九段は91年3月の棋王獲得以降、今年12月までタイトルを一つ以上保持し続けていた。通算獲得タイトルは99期。羽生九段は第31期竜王戦七番勝負の開幕直前、本紙の取材に対し、「タイトルを失ったら段位を名乗ります。でも、それ(失冠)を恐れることなく前を向いて戦います」と話していた。
出典:読売新聞
ただ、「羽生善治九段」と呼ばれるのは、そんなに長くないかもしれません。
挑戦の目を残しているのは、以下のタイトル戦です。
名人戦・・・挑戦者決定リーグ進行中(現在2位タイ)
棋聖戦・・・予選進行中
王位戦・・・予選進行中
王座戦・・・予選進行中
2019年5月〜6月に名人を奪回することができれば、半年足らずで「羽生善治九段」は聞き納めになる可能性が残されています。
引退の可能性は?
羽生善治さんはタイトルに固執していないので、タイトルを失ったからといって引退はありません。
ご本人のコメントでも、引退の意思は全く感じることはできません。
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